二十四 終幕
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た大蛇丸は、地に伏せる火影の姿を忌々しく一瞥する。
そして結界を張っていた子ども達に合図を送り、撤退しようと跳躍した。
「待て!!」
結界から飛び出す大蛇丸の姿を認めて、木ノ葉の暗部達が一斉に動き出す。だがそれより速く大蛇丸の傍にいた子どもが印を結んだ。
「【忍法…蜘蛛縛り】!!」
大蛇丸の部下のひとりが放った術によりチャクラを流し込んだ粘着性の糸が暗部達に襲い掛かる。
足止め用のソレは確実に暗部の動きを止めようと大きく広がり……。
「邪魔だ」
突如割り込んだ金により一閃された。
(じじいの奴、【屍鬼封尽】を使ったな…無茶しやがって)
影分身が三代目火影の身を救い出すのを横目で見遣りながら、ナルト――いや月代は嘆息した。
一瞬大蛇丸と火影の間をすり抜けた風。月代が大蛇丸でさえも目に捉えられない速度で三代目火影を連れ攫ったのだ。
突然の風と腕の痛みにて生じた大蛇丸の隙をついてニ体の影分身を作った月代は、一体を火影の死体に変化させ、もう一体を結界の外に向かわせた。
即ち影分身の一体に満身創痍である火影を安全な場所まで連れて行かせたのだ。
だが【屍鬼封尽】を使った今、火影の命はもはや風前の灯。それが解っているからこそ、術を使えぬ蛇などに時間をかけていられない。
暗部総隊長である月代に変化したナルトは、己の登場により顔を青褪めた大蛇丸と彼を囲むようにして佇む四人の子ども達に視線を向けた。
ぱらぱらと空に散る糸。
蜘蛛の巣を一瞬にして蹴散らした彼は無言で大蛇丸を見据えた。
「あ、貴方は………」
木ノ葉の暗部達が狼狽する中、狐面をつけた男はただただ静かに佇んでいる。
蜘蛛の糸と雑じって彼の金糸が風に靡いた。
「まさか…『月代』!?」
大蛇丸が瞠目し、声を荒げる。驚愕の色を孕む視線を一身に受けている狐面は、大蛇丸含む音忍を見渡した。
それだけの所作で、その場の面々の背筋がゾクリ…と寒くなる。
そこにいるだけで膝をついてしまうほどの圧倒的存在感。
見上げるのも畏れ多いのではないかと自然に頭が下がってしまう威圧感。
彼の佇まいは威厳に満ち、背後には凝り固まった闇がある。
少しでも迂闊な真似をすれば一瞬でその闇に呑み込まれてしまうような。
気が狂いそうなほどの権威を彼はその身に背負っていた。
木ノ葉の暗部ですら畏縮するのだ。音忍である子ども達は皆生きた空もなく、悄然たる顔で狐面の動向を見つめていた。狐面を警戒する大蛇丸もまた、その顔は酷く歪んでいる。
おそらく【屍鬼封尽】による火傷のような激痛が彼の両腕を襲っているのだろう。あのままでは何れ皮膚がズタズタに裂けていく。
だが大蛇丸の表情には両
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