二十三 生きろ
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理やり横島を背中に乗せた破璃は、疾風の如くその場を走り去る。軽やかに走る破璃の背中に乗りながら、ぼんやりと横島は思っていた。
(シカ三角じゃなくてシカマルか……惜しいな)
奈良シカマルは音忍達からの逃走に助力してくれた青年が気掛かりだった。
そのため、一度中忍試験会場まで戻り、援軍を呼ぼうと考えていた。全力疾走で木立の中を駆けていた彼は、会場までもう少しといったところで自らの担当上忍――猿飛アスマと出会う。
そして事情を説明した後、今来た道をアスマ携えてもう一度戻ってきたのだ。自分を助けてくれた青年――横島を助けるために。
だがシカマルが音忍に囲まれた場所には、既に青年の姿はなかった。いたのは―――――。
「お、おい…。アンタなんでここに…?」
死んだはずの月光ハヤテだった。
木の幹を背に、ぼんやりと虚空を見つめている男――月光ハヤテの姿にぎょっとしたアスマは、すぐさま状況を訊こうと彼の肩を揺さぶった。ハヤテの傍では数人の音忍達が倒れている。
危険はないと判断したシカマルも、アスマの後ろに控えてハヤテを窺っていた。
「おい!ハヤテ!!お前、生きてたのか!?今までどこにいたんだ!?」
矢継ぎ早に質問する興奮気味のアスマを落ちつかせようとシカマルが口を開き掛ける。その時アスマの声のお蔭か、虚ろな瞳に光が戻ったハヤテが不思議そうに目を瞬かせた。
「…おや?アスマさん、どうしたんですか?」
「どうしたんですかじゃねーよ!!お前がどうした!?」
「落ちつけって…」
シカマルの諫める声にようやくアスマが冷静を取り戻す。一方のハヤテは、その場をきょろきょろと見渡してから眉を顰めた。
「おかしいですね…、ごほっ。私は確か砂と音の密会を目にして…それから火影様に報告しようと…。そ、そうです!!砂と音が手を組んで木ノ葉崩しを…」
「いや今ちょうどその真っ只中ッスよ」
取り乱すハヤテにシカマルが突っ込んだ。動揺するハヤテの様子を眺めていたアスマが何かを思案するように、ふむと顎を撫でる。
「つまりなんも憶えてねーんだな?まぁ考えられる事は、その密会を見てしまったせいで敵側に捕虜となっていたという可能性が高い。ハヤテ、お前は死んだことになっているんだぞ」
「ええ!?…でもそういえばここ数日の記憶がぽっかり無くて…」
「……とりあえずコイツラと共にイビキに引き渡すか。何か敵の重大な情報を持っているかもしれねえし…」
ちらっとその場に倒れ伏す音忍達を視界に入れたアスマは、はあと嘆息しながらハヤテに肩を貸して立ち上がらせる。
同じく辺りを見渡していたシカマルは気絶しているだけらしい音忍達の姿に眉を顰めた。
「この音忍達はハヤ
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