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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
黒守黎慈とフェンサー(3) ─譲れないモノ─
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カーが倒されたなら、その後すぐに消耗した側を叩けば確実だしね」
「ほう。そうかそうか、何もこっちから仕掛ける必要性はないわけだな」
戦うにはどうすればよいか、という前提で考えすぎていた。
明確に時間制限を決められているわけでもない。
自陣が万全ならば戦わなければならないなんてルールはないのだから、待ちの一手に専念するのも戦略というわけだ。
それこそキャスターは陣地作成のスキルを持っていて、拠点防衛を主眼に置く戦術が基本となるはずだ。
「そういう意味ではキャスターは賢いのか。戦力差はともかく、容易に手が出せない状態になってるわけだしな」
「あれはほとんど運が絡んでいるでしょうけどね。陣地としてあれほど優れた霊地、条件の場所は他にないもの」
「けど他のマスターやサーヴァントが同じ戦法を取るのは難しくないか? 陣地戦に長けたキャスター、牙城前には門番のアサシンが構えている今でも、攻略不可かと言われればそうでもない」
キャスターを相手取るにあたって俺や凛たちは協力体制を取っているが、単騎での攻略が不可能かと言われればNOと答える。
かなり難しいというだけで、単騎で挑んで勝機が見込めないほどではないのだ。
バーサーカーに挑むこととの比較で考えれば、キャスターとアサシンは攻略難度が一つ下がる。
バーサーカーとの戦いもイリヤが近くに居ればこそ付け込む隙もあるが、彼女が安全な場所からサーヴァントを突撃させる戦法を取ってしまえばあの狂戦士はほぼ無敵だ。
「キャスターがずっと待っているだけならね。今のまま他のサーヴァントが減るのを待っていれば、最後にバーサーカーが残っている確率は高い。
恐らく陣地補正があるキャスターとアサシンでもバーサーカーを倒すことはできないから、必然的に待ちの戦法は崩れる。そうでなくとも脅威度が上がれば、他のサーヴァント達が手を組んで攻めてこないとも限らないんだから」
「ふむ。ということはキャスターは現在、何かを狙って引き篭っていると」
「そういうことね。キャスター討伐の為にセイバーとアーチャーは同盟関係にあるし、しばらく待っていれば絶対に状況は動く。一番最初に仕掛けてきたランサーも、あれ以来出てこないってことは様子見して……いえ、させられてるんでしょうね」
そういえばフェンサーが単独接触しただけだから、未だに直接見たことのないサーヴァントはランサーだけか。
戦闘があったばかりの頃は宝具も含めてかなり危険視していたが、ここまで遭遇しないと存在自体を忘れてしまいそうだ。
バーサーカーやキャスターなど、目の前の問題が山積みなのも原因だろうけど。
聞いた話では好戦的なランサーも、言うなれば待ちの戦略に則っている。
マスターの意向ということなのだろうが、必
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