真相
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そうに遊んであげてたりしていたな。書の中からよく見ていたが、中々面白かったよ? 照れくさそうに娘と遊んでいた時、それを主と奥様がニヤニヤしながら見ていて、それに気づいて一気に恥ずかしく思ったのか、半泣きで頬が朱に染まったヴィータの顔は今思い出しても傑作ものだった」
「ま、マジか……前のあたしはそんな事をしてたのか……」
「シャマルは奥様と一緒に家事や料理、井戸端会議に参加したりしていたな。それとリビングで二人してグータラしていた事もあって、割と奥様と同じ生活リズムで過ごしていた印象が強いな」
「えぇ〜前の私って怠け者だったのぉ〜!? あ、主婦みたいな事もしてるわね」
「ザフィーラは先代主の趣味だった家庭菜園を手伝った後、よく日向ぼっこをしていた。守護獣の姿で寝転がっていると、主の娘が傍に来てザフィーラのフサフサした毛皮が気持ち良くてスヤスヤ眠っていたものだ」
「ふむ……傍から見て微笑ましい光景だろうな」
「シグナムは…………あ〜うん、色々頑張ってたような……」
「待て!? なんか私だけおざなりじゃないか!? 先代主の所にいた時、私は何をしていたのだ!?」
「シグナム……中には思い出さなくとも良い記憶もあるのだよ」
「なんでそんな憐れむような目で私を見るんだ、リインフォース!? 頼むから覚えてるなら話してくれ!」
「どうしても聞きたいのなら構わないが……シグナムは主の傍に武闘派がいなかった事で、腕試しで誰か強い者はいないのかと各地を出回っては結局見つけられず、トボトボ帰って来る事が多々あった。いやぁ〜あれはあまりに哀れな姿だった。戦いの実力が強くとも、相手がいなければ無用の長物になる、を見事に体現していた姿だったなぁ」
「…………」
「ほら、聞かなければ良かっただろう?」
「いや……そうでもない。先代主の周りに害を及ぼせるような者がおらず、平穏に暮らせる場所だったという事がわかったんだ。そう考えれば戦う相手がいないというのも、案外悪くないさ」
じゃあ何で半泣きなん? とはツッコまない。シグナムは自分の中にある何かと戦い、それを乗り越えたんや。外野が変に突っついたりしていいもんやない。
ほんのちょっとした興味から始まった、リインフォースから語られる先代主の家庭や生活。その光景を想像すると心が温かくなるもので、私が望んでいた家族の愛が溢れていたのだという事が伝わってきた。そして私達もいつかこういう温かさを作り出していきたい、そう思える物だったのだが……先代主の末路はここにいる誰もがわかっていた。
「この幸せを永遠に続かせるために……いや、主の願い通りに娘の健やかな成長と幸せも叶えるために、騎士達は闇の書を完成させた。そして……悪夢と崩壊が始まった。住んでいた家は壊れ、家
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