第椅子取話 肆
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めて俯瞰する。
「エギルさんこそダメージを負っているみたいですけど、大丈夫ですか?」
「ああ、恥ずかしながらはぐれた後にやられちまってよ」
樹木が蠢いて林と化していた島は焦土と化し、高所エリアを除いて全滅していた。エギルのダメージを心配しつつ、マサキからの連絡を確認するも、あれ以降あちらからの連絡はない。
「…………?」
もはやイス取りゲームとか言ってる場合――イス自体もあとどれだけ残っているか――ではなく、これからどうするか思索する。リーファを吸い込んでいた樹木は高所エリアに向かっていたので、この大火災には巻き込まれてはいないと思うが、と考えたところで、視界の端に一瞬だけ黒衣の少年の姿が映る。
しかし次の瞬間にはその場から姿を消しており、気のせいだったかと確認する――ことは出来なくなった。
そんなものより、もっと確認すべきことが現れていたからだ。
「何だありゃ……?」
エミとシリカはエギルの声に振り向くと、そこにあった物に同じく驚愕する。小さい山ほどの大きさを誇る高所エリア――そこと同程度の大きさを誇る、樹木で出来た煙を発する巨人に。
「おいおいおい……」
もちろん、その巨人の姿はリクヤも視認していた。歩くだけで島に地響きを鳴らしていき、まるで今の今まで燃え上がっていたような煙を吹き上げ、その両手には二刀の大剣を持ち合わせている。高所エリアに匹敵するほどの大きさで、何かを探しているようだ。
『二刀の大剣……』
「パクりやがった……ってのは後にしてだ。ユカはあの巨人のところだろ?」
大火災の中心部にいた二人は全くの無傷であり、リクヤは二刀の大剣を樹木の巨人のように構え直す。樹木の巨人もその巨躯でリクヤのことを探していたらしく、リクヤのことを視認した瞬間に雄叫びをあげる。
『ユカだけじゃなく、リーファの反応もあるな』
「ってリーファもかよ……よっしゃ、ホークへの借金の為にも頑張るか!」
そうは言ったものの、トロッコ関連の情報と他のチームの情報などなど、計いくらくらいだっただろうか。正直覚えていない。チャラにしてくれないかな――などと考えたところで、樹木の巨人が大剣を振り上げる。
『勝てるのか!?』
「俺が本気を出せば……多分勝つ! ……なんて」
台詞を言い終わるより早く、樹木の巨人の大剣がリクヤに叩きつけられる。大地からの煙から間一髪で避けたリクヤが現れ、一本の大剣を構えて猛ダッシュで樹木の巨人の足に向かい接近する。その大剣を纏うは闇の炎――
「もう一回焼いてやるよ! ……魔王獄炎波!」
リクヤが大剣を樹木の巨人の足に叩きつけると――本来なら切り刻むのだが省略する――漆黒の炎が樹木の巨人の足を襲っていく。再
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