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SAO−銀ノ月−
第椅子取話 肆
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ける手段はないが、今この瞬間だけは物理法則を無視した急降下を可能とする。不自然な急降下したリクヤの大剣に火が灯り、葉のカッターを避けながら地上に降り立つと、その火が灯った大剣を力任せに振り下ろした。

「緋凰絶炎衝! 焼き尽くせ!」

 ――その瞬間、大地から火柱が噴き上がる。リクヤの近くにいた樹木たちは、その火柱の直撃を受けて燃え上がり、続々と集結していた樹木たちに燃え移っていく。焼き尽くせ、というリクヤの言葉の通り、灰すら残らないほどの炎が近くの樹木たちに襲いかかっていく。

『おいおいおい……?』

「……やべ、やりすぎたか」

 樹木たちは炎に抱かれて苦しみながら灰になっていき、リクヤとホークがいる中心部からその大火災は広がっていく――


「……おいおい。このむちゃくちゃはリクヤの仕業だな」

「リクヤさん……」

 樹木たちはリクヤのところに集結していたおかげか、何とかエギルとシリカは樹木たちにやられることはなく、海岸線へと脱出を果たしていた。そして一息ついたというところで、今まで自分たちがいた場所が未曽有の大火災に直面していた。その炎は島中に広がる勢いだったが、本物の火ではなくあくまでソードスキルによって発生した火、ということか、不自然なまでにすぐ沈下する。……その頃にはもう、島全体は焦土と化していて、少し手遅れだった気がしなくもないが。

「リクヤさん……やりすぎです……」

 色々な物を焼き尽くして見晴らしがよくなった――しかし海岸線からはリクヤの姿は見えない――島を望みながら、シリカは人知れずそう呟いた。その背後でバシャバシャという水音が響き、シリカは反射的にそちらを振り向いた。

「エミさん!」

「お、おい! 大丈夫か!」

 海からエミが咳き込みながら砂浜に上がって来るのを見て、エギルとシリカが早々と救助する。どうやら大したダメージはないらしく、自慢の髪の毛が水を含んでいることを除けば、特に目立った異常はなかった。

「うー……ありがと。って何コレ!?」

 服と髪についた水を払いながら、エミは二人にお礼を言うと、海岸線からも見える島の惨状に目を見開いた。エギルにシリカも何と説明したらいいやら、と顔を見合わせたが、まずはエミの安全を聞く。

「エミさん、どうしたんですか……?」

「うーん……いきなり木が燃え上がって……助かったんだけど、怖くて海に飛び込んじゃった。大丈夫、心配ないよ」

 既に海岸線まで脱出を果たしていたエミは、海岸線まで移動してきていた樹木たちに襲われていたが、そこをリクヤが起こした大火災に救われていた。しかしてそのままでは自分にも燃え移りそうだった為、とっさに海へ飛び込んで難を逃れていた。汚れをさっさと拭き取ると、エミは立ち上がって島を改
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