番外25話『志半ば』
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
暗い。
暗い世界だ。
体は動かないし、感覚も働かない。
眠い。
いつ眠ってしまってもおかしくない。
それなのに、なぜかみんなの声だけは聞こえてくる。
「ゾロ! ハント!」
誰かに呼ばれてる。
一瞬だけナミだろうか、そう思ったけど、すぐに違うとわかった。
これはルフィの声だ。
返事がしたくて、けど返事をしようにも体が全く動きそうになかった。
「お前らがいて……なんでこんなことになってんだ」
多分、ロビンや空の騎士も一緒にやられてるこの場のことを言っているんだと思う。
いや、俺が来た時はもうけっこうこんな感じだったから。
だから言うならゾロに言ってやってくれ……あ、でも一回目、森の中でにエネルを倒せなかったのは俺なんだからこういう場が出来てしまったのも俺のせいといえば俺のせいか。うん、そりゃそうだ。そもそも武装色を使えないゾロとロギア系のエネルを対峙させてしまった俺が悪いに決まってる。
そういうわけでルフィ、怒るなら俺に頼む。
……うん、声が出ないし体も動かないし、なんだかいつ意識が飛んでもおかしくないぐらいに脱力感あるし、今思ったことをルフィに言えるわけもないんだけど。
「ワイパー!」
なんか幼い感じがする声が急に聞こえてきた。これは本当に知らない、聞いたことがない。
……誰の声だ? いや、まぁ敵じゃないなら誰でもいいか。
「うわーん、ワイパーまで!」
「あのバズーカの奴だ……あんなに強ぇのに、みんな誰にやられたんだ?」
「エネルだよ! ……こんなこと出来るのあいつしかいない!」
「エネルって神か?」
あ、でもエネルはもう俺が倒したから。
そこらへんに転がってるはずだけどって言いたいなぁ。
「大丈夫よ、ルフィ。ハントがもうやっつけてくれたから」
あ、これはナミの声だ。
さすがナミ。ナイスタイミングで俺の言葉を代弁してくれた。
キレカシコイだけあるね。
綺麗と賢いを合わせてみたけど……これはちょっとわかりづらいかもしれない。
「そうなのか?」
「えっ! うそ!? エネルを倒した!? ど、どいつが!?」
「これ」
ナミ、恋人に向かってコレはひどくね?
「この弱そうな奴が!?」
おい、誰が弱そうだ、誰が!
「ええ」
なんだかナミの声が弾んでいるような気がする。
いやいや、そこは弱そうって言葉に反応してほしいだけど、俺今実は意識あるからね。体が全く動かないだけで。どんどんみんなの声が遠くなってきてるから、このまま意識を失う気がするけど、今のところまだ意識あるからね。
……まぁ、ナミが嬉しそうだと俺も嬉しいからいいか。
「けどよ」
ルフィの声
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ