暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外25話『志半ば』
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はルフィがクロコダイルを倒した時に経験してるからすごいって思うけどそこまで違和感はないっていうか、さ」
「あぁ、うん、そうよね。ルフィって常識はずれよね」

 ナミがうんうんと頷いている。
 つまり、ルフィならどんなむちゃくちゃなことをやってのけてもおかしくないし、信じられるって。ナミも思ってるってことだ。
 ……ちょっと妬ける。
 多分、俺に対するナミの評価はそこまで高くないから。

 けどまぁ、仕方がないっちゃあ仕方がないわけで。
 ルフィがエネルを倒したとして、俺がそこまでへこんでないのはそれとはちょっと別の理由がある。

「それに」
「それに?」
「……今回はナミを守れたから。途中で気を失ったけど、ちゃんとバトンをルフィに渡せたし……クロコダイルに負けたときよりもちょっとは成長できた気がして……あんまり落ち込んでないんだよな、これが」
「え」

 ナミが急に驚いた顔を。しかもなんか顔を俯かせて赤くさせてる。この反応の意味は分からないけど、もしかしたらちょっとだけ俺の言葉に嬉しいっていう感情をもってくれてるのかもしれない……っていうかそれはどうでもいい。

 こう、なんだろ。顔を赤くしてるナミってあんまりみれないからかな。滅茶苦茶にかわいい。ナミってば本当にびじかわいい。もう、めちゃくちゃ可愛いって思う。
 動けよ俺の体。そんでナミを抱きしめさせてくれよ。恋人なんだからそれぐらいナミも許してくれるって。

 ……まぁ、もちろん体は動かないけど。
 なんかすごい損した気分。

「……」

 ナミが沈黙してる。
 だから、ちょっとだけ俺の想いを聞いてもらおうと思う。前の時の俺の弱音を聞いてくれたナミには言っておかないといけない気がするし、なによりもナミにだから聞いてもらいたいって思う。

「俺が弱いっていうのはもうわかってるんだ」
「な……ハントが弱いわけないじゃない!」

 ナミがむきになって否定してくれる。
 嬉しい。
 けど、それは違う。

「このグランドラインで、俺一人の力じゃナミを守りきれる強さはまだ俺にはないんだよ……ほら、クロコダイルの時も今回もそうだったし」
「……でもハントは――」
「――ナミ」

 俺が弱いってことをナミが否定してくれる。それがすごい嬉しい。けど、俺はそれに甘えちゃいけない。それは絶対にいけないことだ。だから、ナミの言葉をあえて遮らせてもらう。

「俺は弱い」
「……ハント」
「でも、俺はもうそれはわかってるんだ。まだクロコダイルと戦ってからそんなに時間もたってないし、そんなにすぐに強くなれるわけがないってこともわかってる……師匠の下で厳しい修行を積んできて、そんな簡単に強さが手に入るわけじゃないっていうのもわかってるんだ」
「うん
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