エピソード30 〜盗まれたデッキ 前編〜
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「……むしろこっちが聞きたいわ。」
あの後、展示場まで来たのはいいのだがそこには土下座をし、「わたしはやってないノーネ。無実ナノーネ。冤罪ナノーネ。」と懇願するクロノス教諭と、それに対し、「犯人は皆そう言うんだよ。」と冷ややかな視線を向ける十代達。そして、奥には割られたガラスケース。
……なんだこれ。
事情を聞くと十代たちが展示室へと乗り込んだ時にはすでにガラス製の展示ケースが割られ、そこに安置されていた遊戯さんのデッキが持ち去られていたとのこと。
「いや、とりあえずクロノス先生が犯人だとしたらショーケースをわざわざ割る必要ないだろ。多分、責任者としてケースの鍵持ってるでしょ。」
「そ、そうナノーネ!ワタシは犯人じゃないノーネ!」
土下座の状態からガバッと飛び上がり、足元に縋り付いてくる。気色悪いからやめて欲しい。
「てか、お前らわかってやってないか?」
ジト目で睨みを効かせつつ問いただすと十代がバレちゃったか。と頭を掻きながらのたまった。クロノス先生も疑いが晴れたとわかったのか、立ち上がり胸を撫で下ろし安堵している。
「てか、いつデッキは盗まれたんだ?」
「えと……ガードマンが鍵を閉めてか〜ら、少し経って戻ってきたノーネ。そうした〜ラ、なん〜と、デッキが無くなっていたノーネ!ペペロンチーノ!」
「巫山戯てんすか?」
「仕方ないノーネ!これは、わたし〜の、アイデンティティーなノーネ!」
今さっき犯人扱いされていたのにまだふざけていると思い、殺気を込めて睨みつけるとふるふると首を横に振って否定する。
いくら何でも、キャラ立て過ぎだろ。まぁ、今はそれどころじゃないか……。
「デッキが盗まれてからそう経ってはないか……。多分、容疑者は付近にいるはずだ!探すぞ!」
「「「おぉっ!」」」
紫苑の声の後に威勢の良い掛け声が続き、デッキを盗んだ犯人を探すため四方へと散った。
◆◇◆
「見つかったか?」
「いや、ダメだった。」
「こっちもなんだな。」
「こっちもハズレだな。」
紫苑、十代、デスコアラ……じゃなくて隼人、三沢の四人は桟橋で一度落ち合い、成果を報告しあうが全員見つけられていないらしい。はぁとため息を吐き諦めかけた時、
「ーーーうわあぁぁぁぁぁぁっ!!」
崖の方から悲鳴と地面へと落ちた時の落下音が聴こえてくる。
さっきの声って、まさか
「っ!翔!?」
十代がいち早く反応を示し、声の主であろう者の名前を叫ぶ。
「あっちからだ!急ごう!」
悲鳴が聴こえた方角へと駆け出す。すると、そこには決闘盤を装着し、岩場の下側でのびている翔の姿があった。さっき会った時にはつけていなかった決闘盤
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ