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遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜
エピソード30 〜盗まれたデッキ 前編〜
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授業も終わり、自室にてくつろいでいると、紫苑のPDAに着信が入る。お相手はどうやら、十代らしい。
依然も電話で呼び出されたと思ったらなんやかんや面倒事に巻き込まれたので、同じ轍を踏みたくないので通話を切ってやろうかと、思うがどうせ何度でもトライしてきそうなので、十コール目に入ったところで通話ボタンをプッシュする。

『おっ、やっと出た!出るならもっと早くでてくれよな〜』

機械からはややテンションの高めの声が響いてくる。

「……で?要件はなんだよ。」

極力不機嫌さを隠し、平静を装った声で先を促す。要約すると、「明日まで我慢できないから、今から武藤 遊戯さんのデッキを一緒に見に行かないか?」という事らしい。
そもそも、このデュエルアカデミアに明日デュエリストなら誰もが知っているであろうデュエルキング、武藤 遊戯さんのデッキが展示されるのだ。勿論、紫苑自身もそのことを知らなかったわけではないが、別に他人のデッキを見たところで……、とやや冷めた気持ちでいた。

十代の誘いに乗ろうかどうか迷っていると、ひょっこりと姉が姿を見せる。

「あれ?誰から?」

「十代から。今から展示場に忍び込んで、遊戯さんのデッキ見に行かないか?って誘い受けた。」

「へぇ〜、遊戯さんのデッキね〜……。って、それ校則違反どころか、不法侵入じゃん!?」

「それな……」

自分も同じ事を思い、同じリアクションを十代にしたところ、バレなきゃ罪じゃないとのたまりやがった。それに深夜に行けば、ガードマンも居ないはず、との事。
はっきり言って不安だし、正直めんどくさい。けど、ここで断ってあいつらだけが捕まり、いつか廃寮へと忍び込んだ時のようになるのも後味が悪い。

「……やっぱ止めるべきかね。」

「いいこと思いついた〜♪」

不意に姉が手のひらをうち、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。大抵こういう時は良からぬ事を考えている時がほとんどなのだが……今回は何を?

「ところでさ、紫苑はさ。遊戯さんのデッキはみたいの?」

「何を突然……。まぁ、見れるなら見てみたいけど。」

「そう。じゃあ、聡明なお姉さんから紫苑に提案があります。罪悪感も残らないし、遊戯さんのデッキも見れる一石二鳥な方法がっ!」

「へ?」

曰く、「十代たちを止める」という名目の下で行けばなんの問題もない!……らしい。問題だらけな気がするのは気のせいだろうか。

「まぁ、細かい事は気にしたら負けだよ〜。じゃあ、レッツ ゴー!」

「…………はぁぁ。わかったよ。行けばいいんでしょ、行けば。」

肩を竦めると、なぜかヤケにテンションの高い姉の後を追いかけて行く。


◆◇◆

「で、どうなっての…………これ?」


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