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第四章

「わしを倒してもまだだ」
「その毒がか」
「わしの身体の毒は海に流れそれで海を汚す」
「そして骸から出る毒が風に乗りだな」
「辺りを腐らせ爛らせる。そうなるのだ」
 フォモールの毒の恐ろしさだった。巨人の毒ははそこまで恐ろしいのだ。
 巨人はこのことを言う。しかしだ。
 ホリンはだ。その断末魔で巨体を揺らせる巨人にだ。こう言うのだった。
「そうだな。わかっている」
「わかっていてそれでもか」
「貴様を倒した。そういうことだ」
「それは何故だ」
「貴様をこのまま放っておけばそれだけ多くの犠性が出る」
 だからだ。倒したというのだ。
「そういうことだ」
「そうだというのか」
「わかったな。ではこのまま死ぬのだ」
 巨人の命は今にも消えようとしている。その巨人への言葉だ。
「安心してな」
「言うものだな。では人間よ」 
 巨人はホリンの話を聞き終えてからだ。ホリンに問うた。
「最後に貴様の名を聞いておこう」
「私の名前か」
「何という」
 こう彼に問うのである。
「その名前は」
「ク=ホリンという」
 本来の名は違うが誰もが呼んでいる名前を巨人に話す。
「そういうのだ」
「ク=ホリンか」
「死ぬ間際に。覚えるのだ」
「そうさせてもらう。それではな」
 ここまで話してだ。そうしてだった。
 巨人は背中からゆっくりと倒れてだ。そのまま動かなくなった。
 ホリンはその骸に歩み寄り胸に突き刺さる槍を抜いた。傷口から最後の血が吹き出る。それが砂浜に落ちやはり腐らせていくのだった。
 それを見届けてから海辺を去る。巨人の骸は忽ちのうちに腐りだ。海にまで不気味な液を出し海も腐らせていっていた。
 闘いは終わりだ。ホリンは王の城に戻る。その中でだ。
 従者がだ。ホリンに話すのだった。
「あの」
「何だ」
「確かに巨人は倒しました」
 このことをだ。行きと共に馬車を操りながら彼に話すのだった。
「そのことですが」
「言いたいことはわかっている」
 ホリンは落ち着いた調子で従者に返す。
「私が巨人を倒したことによってだな」
「はい、その毒で」
「あの辺りが穢され」
 ホリン自らの口で言った。
「そして土地は腐り多くの者が死ぬな」
「そしてそれは」
「私の罪だ」
 また自分から言うホリンだった。
「他ならぬだ。私の罪だ」
「それで宜しいのですか?」
「いい。最初からそのつもりだった」
 覚悟していたというのだ。彼自身もだ。
「私がその罪を背負うつもりだった。
「そこまでの覚悟があり」
「王の御言葉を受けてあの場所に赴いたのだ」
 そして巨人を倒したというのだ。毒の巨人を。
「そうしたのだ」
「確かに。巨人をあのまま放っておけば」
 どうなるか。従
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