クズノハ提督来訪
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「あ、ありがとうございマース?」
少女は困ったように笑いつつ、半歩後ろに下がった。
(うー、早く帰らないと怒られてしまいマース……)
少女が悩んでいる間も、青年はひたすら褒め続けている。
「あ、そうだ。キミ彼氏とかっているの?」
「彼氏……boyfriend……ハッ!」
すると少女はおもむろに辺りを見回し始めた。
くぅ……
「!」
突然、小さく唸るような音が葛葉の隣から鳴った。
「ん?」
「……」
葛葉の隣に寄り添う少女は、ほんのりと耳まで赤く染まっていた。
「……俺、腹減ったなぁ」
「!」
葛葉がふと零した。
「そういえばもう12時だね。お昼でも食べる?」
「時間もまだまだあるし、そうだな。じゃ、店探そうか」
葛葉が辺りを見回す。
「どこで何を食べるかとか……考えてるわけないか」
「何だよ、まるで俺が無計画な無鉄砲野郎みたいに……知らない場所、知らない店との一期一会の出会いってのも旅の醍醐味だろ?」
「一期一会ね……まぁそういうのも悪くはないと思うけどね……」
やれやれと言った具合に芝田がポケットからスマートフォンを取り出し、インターネットで店を探し始める。葛葉と響もその画面を覗き込んだ。
「お、流石頼りになるぜ! お前に任せれば大体なんとかーー」
『どぅうううぁあああああありぃいいいいいいん!!』
ぼふぅっ!!
「ごふぅっ!!」
突如、奇声と鈍い音と共に葛葉の身体が後方へと飛んだ。
「ここなんてどうかな? 美味しそうなラーメン店なんだけど……って葛葉!?」
「大丈夫かい、司令官!?」
慌てて、路上で倒れる葛葉の元へ駆けつける。
「えっへへ〜、ダーリンとこんな所で会えるなんて奇遇デース!」
その腰にはやたらと騒がしい少女が抱きついていた。
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