暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外24話『大丈夫』
[3/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
も判断しているからだろう。

「むやみにこの国を破壊してはあなたの欲しがる物『黄金の鐘』も青海へと落としてしまうのでは?」と、理性的なエネルに対してロビンが持っている情報でエネルを出し抜こうとするのだが「心配はいらん、既に目安はついている」という言葉でその狙いは瓦解した。

「その条件を使えば俺をうまく出し抜けるとでも考えたか? 俺を甘く見るな……浅はかなり」

 それどころかエネルの琴線にふれてしまった。

「おれは打算的な女が嫌いでね」

 エネルの腕から雷が走り、ロビンに直撃した。
 声もなく倒れるロビンを、隣にいたゾロがそっと抱きかかえて優しく地面に寝かせる。敵かもしれないと警戒していたロビンに対しての優しい行動をとるのは、それがゾロの性格ゆえか、それともこの空島での冒険を通してロビンへの信頼を深めた証か。

「……女だぞ」

 もしくはその両方か。
 とにかくエネルを睨み付けるゾロだが、エネルはそれでもやはり平然と言う。

「……見ればわかる」

 それが、開戦の合図。

 ゾロが刀を切り上げる。それをうまく受けて、次なる刀の一撃をも身軽に避ける。空中へと躍り出たエネルへと、今度はゾロの後方で構えていたワイパーによる燃焼砲の一撃。空中では身動きが取れないだろうというワイパーなりの一撃だが、エネルには通じない。

「雷光!」

 エネルの体が雷となって光を生み、バズーカの業火を容易に消し去った。
 身近で発生した雷光により周囲にいた人間の視界は一瞬奪われたこともあって、エネルは悠々と無事に大地へと足を下ろす。
 ゾロとワイパーはそれだけで戦意を奪われるわけもないのだが、後ろからそれらの光景を見ていたナミは別。たった今起こった現象を理解し、顔の色をより一層になくしていた。

「やっぱり……エネルギーのスケールが違いすぎる」

 ――じゃあ、本当にハントはあいつに?

 ずっと脳裏によぎっては心の奥底でどうにか否定しようとする、ハントがエネルに本当に負けてしまったという可能性。
『俺を信じてくれ……俺があいつをぶっ飛ばす』そう言ってメリー号を出てエネルを追いかけていったハントの言葉、姿。それをただ盲目に信じるには、ナミは雷の恐怖を知りすぎている。
 それでも自身が愛する恋人を信じるかのように、ギュッと目を閉じて頭をブンブンと振る。

「排撃!」

 ナミがほんの僅かの間、目を閉じていた隙に戦況がまた一変していた。
 ナミが目を開いたのと丁度同時、海楼石を隠し持っていたワイパーによる、身をも削る最大の攻撃がエネルを貫いた。

「……まさか……倒したの?」
 血を零しながら、それでも両の足で立ち尽くしてエネルを見下ろすワイパーと気を失っているエネル。ナミの言葉をただ肯定し
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ