ターン21 鉄砲水と愉快な奇術師
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ゴーストリックの魔女 攻1200→清明(直接攻撃)
清明 LP500→0
「むー………負けた負けた、完敗だぁ」
完敗だ。読みの差で見事に負けた。何をしても予想済み、といった感じで対処されて、そのまま押し切られた。もうぐうの音も出ない。
「ふふ、お疲れ様」
「ちぇっ、もうリタイヤか。はいコレ、稲石さんの分ね」
負けた者に対していつまでも文句を言うわけにはいかないので、潔くGXのメダルを投げ渡す。それを稲石さんがキャッチしようとして、取り損ねて床に落とす。そこに目をやったところで、ちょうどファラオが帰ってきた。
「あ、お帰りなさーい」
『ただいまだニャ。メダルを持って……来た………ニャ?』
ふわふわと出てきた大徳寺先生の視線が床に落ちたメダルの上で止まる。そのままじーっとメダルを見ていたが、幽霊だから暑さ寒さは関係ないはずなのにその顔にたらりと汗が出てきた。
まさかこの人、何か間違えたんじゃ。その思いを裏付けるように、タイミングよくファラオがくわえていたメダルをペッと吐き出す。
そこには、『DX』の文字が彫られていた。……どうみてもパチモンです、本当にありがとうございました。誰だこんなの作ったの。
『ま、まあ、今日の勝負はノーカンってことで、清明君もこれから大会頑張ればいいニャ!怒られる前に逃げるニャ、ファラオ!』
「あ、先生!?」
ファラオを急かして半ば無理やり部屋から出て行った大徳寺先生。稲石さんが床のGXメダルを拾い上げ、なぜかそれを僕に差し出す。
「ま、大徳寺センセもああ言ってたしね。今日のはノーカンってことで、しっかりやるんだよ」
「で、でも」
「そもそも自分がもらったって、よく考えたらここから出られないんじゃどうしようもないからね」
グイッとこちらに押し付けられたメダルを見る。本当に、受け取っちゃってもいいんだろうか。
「律儀だねえ。だけどその律義さはちょっと独りよがりかな。逆に聞くけど、自分と君が逆の立場だったとして。ここで返そうと思ったものをさらに突き返されて本当に嬉しいかい?」
「……うーん」
「それじゃあ、こうしよう。実は君たちが修学旅行に行ってる間にこの島で地震があってね。ただそれが妙に不自然で、どれだけ調べてもこの島だけ、それもごくごく一部分でのみしか揺れてないみたいなんだ。校舎はその部分に引っかかってないから、自分たち以外は誰も気づいていない。大徳寺センセが錬金術の力で割り出したその震源地を教えるから、そこで何が起きたのか調べてきてよ。メダルはその報酬の先払い。これなら納得いくんじゃない?」
「うん、そういうことなら、まあ」
僕だって本音を言えば、ここで大会を終わらせたくはなかったからメダルを返してくれたのは
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