ターン21 鉄砲水と愉快な奇術師
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素直に嬉しい。だけど、それでいいのかって思いが抜けきらなかった。そこまで読んだうえでああいうことを言ってくれたんだろう。僕が迷いなくメダルを受け取れるように。なんか聞いてるだけでものすごく怪しい話ではあるけれど、きっと何とかなるだろう。手を伸ばしてさっきまで僕の物だったメダルを再びつかむと、稲石さんが空いた手で1枚のカードを取りだした。
「それと、これも。君のデッキはなかなか前のめりだからね、このカードもあげよう」
「え?」
「いいから受け取っときなって。こっちは君と自分の仲直りの印さ」
じっくりと見る。確かにこの効果、僕のデッキの守りのカードとして十分な能力を持っている。いや、十分以上の素晴らしい性能だ。
「稲石さん、ありがとう!大事にするよ!」
「何、いいってことよ。それじゃ、またね」
「はーい!」
こうして、ジェネックス初デュエル………に、なるのかなこれ。とにかく初っ端から負け試合という散々な結果に終わってしまった。それにしても稲石さんの話、気になるな。ものすごく限定的な範囲での地震、ね。この島すら覆えないほど狭い範囲って、それってもはや地震じゃないよね。それにさっきはスルーしてたけど、どうも今日はチャクチャルさんの様子がおかしい。なんだか妙に疲れてるというか、弱ってるというか。今は稲石さんの頼みの話もあるしもう少し様子を見るけど、考えることがいっぱいだ。
いったん頭を使うのをやめ、稲石さんにさっき書いてもらった手書きの地図を見る。バツ印がついたところが震源地とのことだけど、この位置には行ったことがある。弱小カードとレッテルを張られたものたちが捨てられていた、古井戸。万丈目や十代と一緒に潜ってカードを拾い集めた井戸のあたりだ。
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