男の甲斐性@
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父さんには分かっちゃったみたいで、『伝説の勇者様が何でも問題事を解決しちゃっては、誰も自分で解決しようとしなくなる。皆から努力する心を奪っちゃダメだよ』って言われました。
やっぱりお父さんは格好いいなぁ……
そう思ってたら『あのハゲに何か言われても全力で拒否るから備えなんて不要なんだよ(笑)』だってさ。
はぁ……お世話になった人に対して酷いと思うのだけど、隣では嬉しそうにお父さんの意見に同意するポピーが居たので、僕は黙っておく事にした。
ポピーに口喧嘩では勝てないからね……
そんな訳で“あっ”という間に僕等4人はサラボナのルドマン邸に訪れております。
町の様子も、周囲の様子も……何時ぞやの“ブオーン騒動”の時の様に慌ただしくは無いし、本当にトラブルが起きてるのか疑問です。
でも主のルドマンさんが何時まで経っても現れず、僕等はお屋敷の応接室で待たされっぱなし……
結構深刻なトラブルに見舞われてるのかもしれないですね。
これは気を引き締めないと……
「どーなってんだこの家は!? 人様の事を呼び出しておいて、家主が一向に現れないなんて……娘を嫁に出来ず、玉の輿に乗りそびれた嫌がらせかコノヤロー」
応接室の外に人の気配を感じたお父さんが、家中に響き渡りそうな声で訴えだした。
「相変わらずですねリュカさんは」
「お前も相変わらず……って言いたいけど、子供が生まれて幸せ絶頂って感じだなアンディー」
部屋に入ってきたのは苦笑い状態のアンディーさんと、奥さんのフローラさんでした。
ルディー君の姿が見えないのは、教育上良くない人へ近づけない為に、離れの住まいに残してきたからだと思われる。
正しい判断だろう……大人は挨拶の為に姿を現せなきゃならないけど、純真無垢な赤ちゃんにはそんな義務は発生しない。
「フローラさん……ルディー君はお元気ですか?」
「はいビアンカさん。今はお昼寝の時間なので乳母に預けて連れてきておりませんが、スクスク元気に育っております」
うん。大人としては“良くない人に近づけたくなかった”とは言いづらいだろうし、当然の受け答えなんだろうなぁ。
「残念……私ルディー君に会いたかったのに」
「ごめんなさいねポピーちゃん。また今度会いに来た下さい」
うん。良くない人さえ居なきゃ誰でも自由に会えるのだろう。
「ふふっ、そうしますわフローラさん。未来の彼氏候補を手懐けないとならないので(笑)」
あぁ……これでポピーも“良くない人”リストの仲間入りだ。
何で“良くない人”リストに載ってる人に限って、ルーラを使う事が出来るのだろう……迷惑な事に。
「は……ははは……」「……うふふ……ふふっ……」
ほら見ろ。お二人とも引き攣って笑ってるよ。
もっと場を和ませる事が言えないのか?
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