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101番目の舶ィ語
第十六話。魔女の代償……
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液とか、妹の髪の毛とか、妹の……「あー、もう解った。直ぐに湯を入れ替えろ。後で入るから……金女、お前は少し落ち着け」……もう、お兄ちゃん非合理的〜」

そう言いながら金女の気配はなくなった。
おそらく言った通りに風呂を入れ直しに行ったのだろう。
本当、なんで金女はこんな残念な思考回路してんのかね?
人工天才(ジニオン)でアメリカの有名大学を卒業してるくらいに頭はいいのに……。
なんでこんなに残念なんだ。

「兄さん、スミマセン」

「いや、理亜が謝る事じゃないだろ?」

「ですが……金女さんより先に上がったせいで兄さんに迷惑を……」

「迷惑とかそんな事考えるな。家族だろ、俺達は!
迷惑はかけていいんだ。迷惑をかけて、かけられるのが家族なんだから」

「あ、そう……ですね。ふふっ、兄さん、ありがとうございます。それじゃあ今後も迷惑をかけますね」

「ああ、どんと来い!」

ただし、女性関係は勘弁してくれ。

「それじゃ、私はかなめさんの様子見てきますね。
兄さんも直ぐに来てくださいね」

「ああ、解った。って、あ、そうだ理亜」

「なんですか?」

「念のため、なんだが。音央の事は覚えてるか?」

これで『知りません』とか言われたらショックなんだが。

「何度かお会いしましたよね。私にも大変よくしてくれました。それに、兄さんが音央さんの話をする時は必ずスタイルの話題になりますので、覚えています」

「うぐっ、ま、まあ、覚えているならいいんだ」

スタイルの話題をしていたのは一文字疾風であって『俺』じゃない。
ヒステリアモード時の俺なら何か言い出すかもしれないが俺が女性のスタイルを言うわけない。
……ないぞ?

そんな事より、俺が理亜に音央の存在確認をしたのにはわけがある。
以前、『ロア喰い』を調べた際にあった事だが、『人々の記憶から消える』というのが今回の『神隠し』にもある出来事だからな。
音央という存在は確かにいて、理亜という証人もいる。
その存在自体が消えたわけではない。
それを確認出来ただけでもホッとした。

「最近、音央のヤツ頑張っているらしいんだけどさ。アイツの噂って何か知ってるか?」

「ええ、頑張られているようですね、雑誌モデルなどもされていますし、それ以外に何か……中学校での評判、などですか?」

「そういうのでもいいし、昔の話が噂になっていたりとか、そんなのでもいい」

「ん……思い出してみます」

ドアの外で考え込むような理亜の気配があった。

「あ、そういえば」

「ん、何だ?」

「音央さんは昔、神隠しに遭ったそうですね」

「え……?」

その単語が理亜の口から出た事に驚いてしまった。
音央自身が…
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