命蓮寺での軽いいざこざ。
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。暗基は自分の能力の関係もあり、すさまじい吐き気を覚えた。
「霧の異変の時みたいに、あんたをズタズタにしてもいいんだけど?」
「あの時のように、そう上手くいくかしらね?」
どんどん周りの空気が悪くなっていく。それに比例するかのように暗基の顔色も悪くなっていく。
「ちょっ、2人ともやめてくれ……。能力の関係で吐きそうだ……」
「そこにぶちまければいいじゃない。邪魔しないでもらえる?」
「れ、霊夢……。魔理沙、この状況何とかできないか?」
「そういわれてもなぁ……。こうなっちまったら、もうこいつらは止まらない……。ケンカさせとこうぜ」
「うぅ、まじでおれ吐きそうなん、うっぷ……」
暗基はもう限界だった。そこに、本当に救世主が現れた。
「いい加減にしたらどうですか? お2人とも?」
その場にいる全員が、声のしたほうを向く。そこには、茶色へのグラデーションがかかった赤紫色の髪の女性がその場に立っていた。
「うっ、白蓮……」
「ぐっ……」
聖白蓮だった。聖の姿を見ると同時に、冷や汗を滝のように流しながら霊夢と咲夜は構えを下ろしてしまった。どうやら、あれだけぶち切れていた霊夢と咲夜が顔を真っ青にして構えを下ろしたあたり、聖を怒らせるのは、本当によろしくないらしい。実際、聖の顔からは全く怒りを感じなかったが、聖をまとっていた霊力が、明らかに下手をすると2人を殺しかねない霊力を発していたからだ。だがそれが、今このときだけは暗基の吐き気を抑えてくれた。本当に助かった。
すると聖が暗基の方を向き、先ほどと同じ笑顔をむけて話しかけてきた。
「貴方が暗基零さんですね? 私は聖白蓮と申します。この命蓮寺の住職をしております」
「あぁ、どうも……」
なぜだろう。聖の霊力が、暗基の心をどんどん癒してくれている。それこそ、この場でまた眠れそうなほどに。そして聖がまた声を出した。
「さぁ、ここで話すのもなんですし、一緒に朝食でもどうですか。ほら、皆さんも」
聖の一声が、その場にいた全員を動かした。困り果てた顔をしていた魔理沙も、聖の事を警戒しつつも睨み合っていた霊夢と咲夜も、最後まで恐怖でビクビクしていた小傘もぬえも、一斉に立ち上がって、部屋から出て行く。
「ほら、零さんも」
「あ、あぁ……」
そして聖に声をかけてもらい、暗基も朝食を取るために聖の後ろをついていった。
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