第一幕その一
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オズのベッツイ
第一幕 探しものがなくて
恵里香達五人はまたオズの国に来ていました。
五人はドロシー、そしてベッツイ=ボビンと一緒でした。ナターシャはお茶を飲みながらそのベッツイに言うのでした。
「そういえばこれまで、ですね」
「どうしたの?」
「はい、私達ってベッツイさんとあまりお話したことがありませんでしたね」
「そういえばそうね」
ベッツイも言われてこのことに気付きました。
「私達ってね」
「そうですよね」
「ええ、言われてみればね」
そうだとです、ナターシャに答えるベッツイでした。
「貴方達はドロシーとはよく一緒にいるけれど」
「ベッツイさんとは」
「ですからこうしたお話していると」
「楽しいのね」
「はい、ベッツイさんもいい人ですね」
「あら、お世辞はいいわよ」
「お世辞じゃないです」
それは違うとです、ナターシャは答えました。
「本当に」
「私がいい人って言ってくれるのね」
「そうよ、ベッツイはいい娘よ」
ドロシーもにこりと笑って五人に言うのでした。
「とても明るくて気さくでね」
「そうですよね、一緒にいてとても楽しいです」
「そうよね、だから私もベッツイが大好きなの」
ドロシーもにこにことして五人にお話します。
「冒険に出る時以外はいつも一緒にいるわ」
「ベッツイさんは冒険は」
「時々行くわ」
ベッツイは今度は恵里香に答えました。
「ドロシー程じゃないけれどね」
「そうなんですね」
「ドロシーは本当に冒険が好きだから」
旅行がです、ドロシーにはそのまま冒険になるのです。
「そのドロシーと比べたらね」
「ベッツイさんはですか」
「ええ、そんなに冒険しないわ」
そうだというのです。
「ドロシーは本当にいつも冒険に出るから」
「私オズの国に来てからね」
その時からとです、ドロシーはベッツイに答えました。
「冒険が大好きになったのよ」
「昔はそうじゃなかったんだよ」
ドロシーの足元からトトが五人にお話しました。
「カンサスにいた時はね」
「そうだったのね」
「うん、あの時は冒険とかはね」
「全く縁がなかったの」
ドロシーも言うのでした、このことを。
「本当にね」
「それがなんですね」
「オズの国に来て。変わったわ」
ドロシーはまたナターシャ達にお話しました。
「性格もね」
「そういえばドロシーさんの性格って」
「そうそう、昔はね」
「ボームさんの年代記ではね」
ジョージと神宝にです、カルロスが言います。
「もっと大人しくて」
「活発じゃなかったね」
「慣れていなかったっていうか」
「そう、もう少し後ろ向きだったわ」
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