第二十章
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「この状況だとな」
「辛い」
そうだとだ、ウィザードも言う。
「ここは切り札を出すか」
「そうするか?」
「ああ、雑魚を一掃してだ」
そのうえで、というのだ。
「頭を潰すか」
「そうするか、じゃあな」
ビーストはウィザードに応えてだった、ここで。
二人共魔法陣を出してそれを自分達の身体に通してだ。パワーアップした姿になった。その姿でインベス達に突き進みだ。
彼等を薙ぎ倒しつつだ、龍玄達に言った。
「続いてくれ」
「俺達が切り込んでくからな」
こう言うのだった。
「後ろからだ」
「来てくれ、いいな」
「後ろからはいかないです」
これが龍玄の二人への返事だった。
「ここはです」
「ここはか」
「一緒にいかせて下さい」
彼もまた、というのだ。
「さもないと彼等まで辿り着けないです」
「そうか、それならな」
「はい、今から行きます」
「私もだ」
斬月・真もだった。弓矢を駆けながら放ってだ。
インベス達をそれで倒しつつだ、ウィザードの横に来て言った。
「共に行く、相手の数に躊躇して諦めるとだ」
「何もなりはしないな」
「そうだった、何としてもだ」
ここでもデュークを見て言うのだった。
「奴等に追いつき倒していく」
「逃がすか」
バロンも来た、そして他のライダー達も。
来た、それで一気に倒していってだった。
デューク達に迫った、そして実際にだった。
バロンはデュークのところまで来た、そこで彼に襲い掛かるがここでだった。そのバロンの横からだった。
シグルドが来て不意打ちを仕掛けようとしてきた、それを見て。
マリカがだ、咄嗟に言った。
「危ないわ!」
「来たか」
バロンはマリカの声を聞いてだった、そこで。
そのシグルドに蹴りを浴びせて退けてだ、こう言ったのだった。
「不意打ちか」
「ちっ、あいつが注意しないとな」
「その前からわかっていた」
バロンはデュークを前にしつつシグルドに告げた。
「その気配でな」
「わかってたのかよ」
「貴様の気はわかりやすい」
帽子を被りなおす仕草をしたシグルドへの言葉だ。
「実にな」
「そりゃどうしてなんだ?」
「汚いからだ」
だからだというのだ。
「汚く弱い、下衆なものだからな」
「それは何よりだな」
「所詮貴様も弱者だ」
バロンはシグルドにこうも言った。
「強者のつもりでもな」
「言うな、おい」
「そのままだ、だから貴様は一度は無様に死んだ」
こうも言った彼だった。
「そして今もだ」
「手前に防がれたってのかよ」
「そうだ、二人がかりでもだ」
デュークも見ての言葉だ。
「何ということはない」
「言うね、じゃあ」
「手前はここでぶっ殺してやるよ」
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