第七章 歌姫
第1話 夏休み明け
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に凜袮が元気なことがわかったので夕弦は満足です」
上条「そっか」
本当なら一日中渡してもいいのだが、あくまで『石』の所有者は上条だから、と断られたりもしていた。
と、ふと上条は思った。
上条「……そういや、去年はどこの学校が優勝したんだろ?」
ボソッと言ったつもりの言葉に反応したのは意外にも殿町だった。
殿町「あぁ、上条は転校してきたから知らないのか。去年の王者は、竜胴寺女学院ってとこだ」
上条「竜胴寺女学院?」
殿町「あそこは市内最高と謳われる美少女偏差値を持ついわゆるお嬢様学校だ。去年の模擬店なんかよぉ、味や内容も一級品だが、それ以上に丁寧な接客で客数と票数を稼いでいるんだぜ」
上条「ふ〜ん……」
学園都市内の常盤台中学をイメージしながら殿町の言葉を聞いていた。
まさか御坂みたいなやつがいたら……と思うだけで女子校は拒絶反応を起こす。
殿町はそれに、と続け、
殿町「今年の竜胴寺にはもう一つ、きな臭い噂がある」
士道「噂?」
どうやら士道も話に興味を持ったらしい。
殿町は構わず続ける。
殿町「ほら、四月の頭に話題にならなかったか?竜胴寺に転入生が入ったって。それも美九たんが!」
士道「……誰だそりゃ」
上条「聞いたことあるような……ないような……」
その瞬間、信じがたい回答だったのか、顔を愕然としたものに変貌させた。
殿町「何でテメェら知らないんだよ!!超国民的アイドルだぞ!!」
士道「って言われてもなぁ……」
上条「上条さんの記憶力では知りませんことよ?」
さすがに呆れたのか殿町は何も言わなくなった。
士道は折紙と十香のところへ戻り、上条はその場にとどまり壇上にいる亜依へと視線を移した。
話を聞くと、どうやら会長がストレスと過労で倒れたらしく代役を決めなくてはならないらしい。
つまり、天央祭の実行委員を急遽決めなくてはならなくなったのだ。
シン、と静まりかえったこの体育館で、こいつらだけはいつも通り騒がしかった。
右には折紙、左には十香、後ろには夕弦、前には耶倶矢から士道は抱きつかれるという男子から歯を噛みしめるような光景だった。
おまけにタイミングが悪いことに静まりかえっているこの状況では、さらに生徒の鋭い視線を浴びることになる。
鋭い視線を浴びせているやつの一人、殿町が壇上の亜依に向かってこう言った。
殿町「議長!天央祭の実行委員に五河君を指名します!」
士道「な……ッ!?」
その直後、周りの生徒から『いいぞ五河!』『お前にしか任せられん!』と言った声が多く飛んできた。
それが嫉妬からの逆襲とも知らずに。
亜衣『諸君らの声、しかと受け取っ
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