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戦闘城塞エヴァンゲリオン
第3話Bパート『夜宴』
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不機嫌さを隠しもせず。しかし、その表情が徐々に鋭くなって。

「はぁ!?何よそれ!!やってくれるわねっ」
何かは知らないが、問題が発生したらしく。


「落ち着いて聞いて。じつは、こっちに向かって武装した一団が向かってるらしいの」
電話を切って。そう言う。

「何なのよっ、それ!?」
最初に聞き返したのはミサトで。

「どうも、聖魔杯参加者の吸血鬼らしくて」
「...吸血鬼!?」
ひどく疑わしそうに。
「血を吸って奴隷化した他の参加者を引き連れてるそうよ。もう、すぐそこまで来てるわ」

ミサトは立ち上がり無言で、アパートの玄関に向かった。
他の面々も、それに続き。



  ◇  ◇  3  ◇  ◇

「うわっ、気色悪ぅ」
見回して、ミサトが呟いた。

アパートを出ると、街灯に照らされた道に大挙して進む人影。
生気の感じられない無表情に、よたついた歩みで。まるで恐怖映画のゾンビだが、全員生きている。

何かを探しているような様子だが。その内、数人がこちらに気付いた。

向かって来た彼らは、手に持った様々な武器を無造作に振り上げた。が、手近にいたひとりの顔面に空きビンが直撃し、割れたガラスが散らばる。

「何だか知んないけどねっ、やろうって言うなら手加減なしよ!」
ミサトが投げつけたワインのビンだった。…いつの間に、一本空けたんだっけ。

それが呼び水になったのか、さらに何人かが集まりだしていた。
まともな武器も持たないで、立ち向かえるものではないだろう。たとえミサトが軍人であるとしても。



とその時、新たに現れたひとりの人影が、襲い掛かってきた数人を、手に持った棍棒のような即席の武器で次々と打ち据える。

「大丈夫かね?」
息切れもせず、そう言ったのは軍人らしき格好の老人。
犬を一頭連れていた。ドーベルマンで、周囲を油断無く警戒して呻り声を上げている。


「勇ましいお嬢さん方だな。しかし、…迷惑をかけたようだ。申し訳ない」
苦笑しつつ、なぜか謝罪の言葉をつづけ。


「…大佐」とヒデオ。そういう呼び名が最も初めに浮かんだのだ。
年齢に似つかわしくない盛り上がった筋肉、馬鹿デカい拳銃に軍用ナイフ。ベレー帽は画家や何かのそれではなく、特殊部隊のそれで。

「ほお、君は私のことを知ってのかね?どんな人生を歩んできたかは知らんが、それは不幸なことだ」
この大佐自身、相当な修羅場をくぐり抜けてきたのか。それを不幸な人生と自嘲したのだろう。

「それより、迷惑ってどういうことなのですかっ!?何か知ってるなら吐くのですよー」
「これは、私を狙っての襲撃らしくてな」
大佐ひとりを狙って、これだけの人数を揃えたのか。

大佐――ジョージ・
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