暁 〜小説投稿サイト〜
ユキアンのネタ倉庫 ハイスクールD×D
ハイスクールD×D 黒龍伝説 5
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
生徒会の輪の中に入っているはずだ。同じ会長の眷属で、表向きの生徒会を一緒に運営しているのだ。当然、オレもその輪の中に居る。それなのに輪の中に居ると思えない。

今まで目を反らし続けて来た現実にオレは耐えられず、神器を扱えなくなった。聖剣達からは拒絶が強くなった。魔力すらも上手く練れなくなった。精神構造もメチャクチャ。欠陥だらけの存在。それがオレだ。

そして会長の兵士であり、セラフォルー様の騎士でもある。このまま引き下がると言う無様な姿を見せるわけにはいかない。最低でも木場を道ずれにしなければならない。だから、そんな必死になってこっちに来ないでくださいよ会長。こんな姿、見せたくないのに。

「無事、とは言えませんね。大丈夫ですか、匙」

「……なんで、此所に?」

いや、オレの所為か。戦況は芳しくない。オレが与えられた仕事をこなせていないから。そのてこ入れだろう。

「今は私の話を聞いてください。頼りない王かもしれませんが」

「そんなことは……ありません」

「いえ、私はあの時何も出来ず、何も言う事が出来なかった。自分を追いつめて苦しんでいる眷属が目の前に居るのに、言葉だけの慰めすら出来なかった」

確かにそうだったけど、あれはセラフォルー様が居たからで

「お姉様がいらしたおかげであの場は綺麗にまとまりました。ですが、もしお姉様が居られなければ、どうなっていたか。私は悪い方にしか流れないと、そう思っています。だから、私の元に居るよりもお姉様の元に居た方が良いのではないかと、ずっと考えていました」

そんな、オレなんかの所為で会長が悩んでいたなんて

「このゲームが終わった後、お姉様の元に行く様に提案するつもりでした」

会長の言葉に頭を思い切り殴られたような、そんな感覚がした。会長の元から離れるなんて、嫌だ。オレは会長の夢を手伝いたいと心から思ったのに。だけど、オレが傍に居る事が会長を傷つける行為なのだとしたら離れる方が良いのではないのかと言う考えに板挟みになる。

「ですが、それを知った椿に怒られました。王として自ら考えた結果ならともかく、流されて出た答えで眷属を放そうとするなって。匙の事を考えているようで、ただ逃げているだけだって」

よく見れば会長の右頬が赤くなっている。

「匙、私は貴方の事を分かってあげる事が出来ない。だから、教えて貰えますか。貴方はどうしたいか、どう思っているのかを」

「……オレは、会長の夢を聞いて、手伝いたいって。身分が低い、力が弱い、そういった者のための、オレみたいな奴を作らなくて済むかもしれない。オレみたいな奴が増えても、ど、何処かで、孤独を感じる奴が、増えるだけなんて嫌だから。そのために力を振るいたい。嫌いだけど大切な、大切だけど大嫌いな、醜い欠陥だ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ