第99話 少年は英雄《馬鹿》に近づくようです
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呼吸も荒く膝も笑っているし、気の強化も緩んでいる。
とは言えども僕も人の事は言えない。術式兵装は『雷の暴風』しかなく、残りの魔力では
『雷の投擲』が精々。更に体力を魔力に変換していたからヘロヘロ。・・・行くしかないかな。
「「どぉぉおおおおおおおおおおおおりゃあああああああああああああああああああ!!」」
ボグッ!
『コジロー・カゲタロウ選手、強烈なクロスカウンターぁああああ!!もとい右ストレートが
同時にヒットォ!!カウント始めます!』
「おう、あっちはカタ付いたみたいだな。」
凄い怒声と共にあっち二人の拳が互いの頬にめり込み、同時にダウンした。
ラカンさんの早計な判断・・・いや、ピクリとも動かない所を見ると本当にダブルノックアウト
したようだ。覚悟を決め、残った魔力の半分で光と雷の魔法の矢をそれぞれ『装填』して、
『天掴む雷神の双手』で近接戦闘用に強化を済ませる。
「……ラカンさん、これで決着です。」
「へっ、生意気な!んじゃ、本当に最後だ!!」
ゴウッ!
「―――行きます!!」
勢気一声、まずは正面から切り込む。先行放電こそないものの、『雷天大壮』"とは
比べ物にならない速度のせいで、ラカンさんには完全に見切られカウンターが飛んで来る。
化勁で受け流しつつ強化魔法の効果で、僅かに帯電させる。流した力で加速した硬開門を
鳩尾に打った瞬間後ろに回り両脇腹に掌底を叩き込む!
「フッ!」
ドドドッ!
「やっべ――気合ぼガハッ!」
貫通性の攻撃を相手の体の中で交差させ破壊力を高める"兇叉"で気合防御を封じて、
今だけ出来るラカンさんの隙――防御の薄くなる箇所に攻撃を叩きこんで行く。
さっきとは全然違う。少しずつだけど攻撃が効いている。ここで―――!!
「(防御の一番硬い所!!)……"孤塁貫き『桜花崩脚』"!!」
ズドンッ!!
「グァあああッ!!」
『こ、これはぁーー!?ナギ選手、ラカン選手を魔法を一切使わず!?いや使っていますが!
徒手空拳で!あの"最強の傭兵剣士"ジャック・ラカンを圧倒ーーーー!!』
裏をかいた防御抜き攻撃に更に光の貫通を加え、初めてこっちの攻撃が直撃した。
動きの鈍ったラカンさんに、今まで習って来た技を全て使い肉薄する。
そう、経験値の塊であるラカンさんに勝てないとばかり思っていたけど、違う。
技の多彩さ、魔力量、そして何より・・・多くの師匠達との修業経験は実戦経験と違い
少しだけ綺麗だけれど、負けてはいない!
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