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リリなのinボクらの太陽サーガ
蟷螂
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きつける。床に倒れたリーゼロッテを見てすぐさまリーゼアリアが魔力弾で追撃を仕掛けてきたが、こっちは麻酔銃で彼女の首筋に狙いを定めて撃つ。その隙にリーゼロッテが水面蹴りを放ってきたので、回避も含めて跳躍、バック転で体勢を整えると彼女も蹴りの勢いを利用して起き上がり、こちらに突進してくる。
彼女と俺との間で、目にもとまらぬ速度の体術が交差。腕と腕、膝と膝のぶつかる音が部屋内に響くが、俺は拳を交えたリーゼロッテの拳術を改めて垣間見て、確かに実力はエース級なのだろうと彼女に対するへっぽこな認識を少しだけ塗り替えた。操られている時点で結局へっぽこなのだが。
一方で麻酔が浸透して力が抜けているリーゼアリアは、魔法の発動が困難になって膝立ちのまま先程より少ない数の魔力弾を放ってくるが、どれもコントロールが甘かった。なので弾道の予測はあまりに容易く、俺はリーゼロッテの顎に一撃を入れて脳を揺らしてふらつかせ、CQCで捕らえた彼女を魔力弾の盾として使った。

「べぶぼっ!!?」

……悪い、非殺傷設定を俺は使えないのでな。おまえの場合はこうしないと無力化出来なかったんだ。
不憫な目に遭ってリーゼロッテが悲痛の涙を流しているのを横目に、また魔法を発動しようとしていたリーゼアリアに向けて今度は……、リーゼロッテをぶん投げた。

「うみゃああああ!!!?」

「ゲフゥッ!!?」

折り重なるように倒れて気を失ったリーゼ姉妹を前に、俺は「ふぅ……」と息をつく。

「長くも苦しくもない戦いだった……」

ひとまず無力化には成功したが、リーゼアリアも操られて二人同時にかかってきたのに結局敗北したのだから、これからリーゼ姉妹はへっぽこ姉妹と認識する事にした。

「役に立たん女どもだ」

「フッ……ステルス迷彩、いや、隠蔽魔法か。手品のタネは世界が異なろうと子供だましに過ぎないのだな」

「貴様……俺の力を信じてないな? 世界最高の読心(リーディング)能力と念力(サイコキネシス)、今からおまえに見せてやる」

「ッ……!」

ステルスを切って姿を現したのは、ガスマスクを付けてアレクトロ社の制服を着た細見の男性だった。とすると、彼がSEED使用者か……。

「いや、正確にはこの男の精神を俺が乗っ取った、というのが正しいのだよ。暗黒少年サバタ……」

「乗っ取った!? それに今、俺は声に出していなかったはず……!」

「俺の前では声に出す必要は無い、サバタ。俺はサイコ・マンティス。そうだ、これにはタネはない。正真正銘の力だ」

「くっ……!」

麻酔銃を構えると、サイコ・マンティスは手を出して余裕そうに振った。

「無駄だ、行っただろう。貴様の心は全て読める」

そう言うとサイコ・マンティスは奇妙な動きを見せて、
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