2部分:第二章
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は諦めきった声で述べた。少女を見ているがそこに見ているのは希望なぞではない。それとは全く異なる暗鬱としたものでしかない。
「誰だってな。わかるよな、それは」
「ええ、わかるわ」
少女も彼の言葉にこくりと頷く、それを否定することはなかった。
「けれど。それには早いとも思うわ」
「早い?」
「ええ」
また彼に答えた。
「私はそう思うのだけれど」
「じゃあどうしろっていうんだ」
彼は嘲笑を込めて尋ねた。だったらどうするのかと。そう問うたのだ。
「今の俺達が」
「動けばいいわ」
それが少女の返事であった。
「動けば。それだけでいいわ」
「動いて何になるんだ」
イワノフはそれもまた否定した。何かを肯定する気持ちにはもうなれなかった。ただ何処までも疲れ果てていた。その彼に動くことはできなかった。
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