第十二幕その十
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「好きなので」
「学ぶものとしてですか」
「そうです、観ています」
「楽しむ学問ですね」
「学問は楽しむものです」
この持論も日笠さんに言います。
「苦労もしますが」
「楽しむ為の苦労ですね」
「そうです、あとスポーツもしませんが」
こちらのお話もします。
「野球も観ます」
「イギリスでは野球は確か」
「最近入ってきました」
「あまり盛んではないのでしたね」
「そうです、ですが日本のチームの」
先生はこれまで以上ににこにことして日笠さんに言うのでした。
「阪神タイガースですが」
「阪神お好きなのですか」
「あのチームは非常に面白いですね」
「華がありますね」
「不思議です、勝っても負けても絵になります」
阪神は、というのです。
「見事です」
「そうです、実は私は阪神ファンなのですが」
「阪神のそうしたところがですか」
「好きです、世界で二番目に好きです」
こうまで言うのでした。
「食べることと同じだけ」
「ですか、阪神がお好きですか」
「とても」
本当に好きな人の返事でした。
「阪神タイガースは私の生きがいの一つです」
「では甲子園球場も」
「よく行きます」
「そうですか、よくですか」
「若しよかったら」
日笠さんからでした、先生にお声をかけました。
「ご一緒に」
「今度ですね」
「試合を韓に行きませんか?」
「そうですね、僕も最近野球に興味を持ってきていまして」
「阪神にもですね」
「興味を持っています」
「あのユニフォームがまたいいですね」
日笠さんは身を乗り出さんにして先生に言ってきます、どうも阪神タイガースのことになると普段よりもテンションが高いです。
「本当に」
「はい、勝っても負けても華があるチームは」
「イギリスにもないですか」
「他のチームでもないです」
「サッカーやラグビーでも」
「ありません、個人ではそうした選手もいますが」
それでもというのです。
「チームとしては」
「そうですか、阪神だけですか」
「まさに阪神はです」
「華のあるチームなのですね」
「あの華は何処にもないものです」
先生も熱い口調で言うのでした。
「阪神の華は」
「では」
「はい、是非韓に行きましょう」
このことも約束しました、そしてです。
何よりもでした、動物園と水族館のことを決めてです。先生はこの日は学校でのお仕事を終えてお家に意気揚々と帰りました。そのうえで。
いつもんのちゃぶ台のある居間で皆にこの日のことをお話しました、すると動物達は先生に対してうんうんと頷きながら言うのでした。
まずトートーがです、先生に言いました。
「合格だよ」
「今日のことはだね」
「うん、一緒に野球を観に行くことを決めたことはね
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