リリカルなのは編
第六話 いや、化け物と言われても
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いて、いや、聞けていたのね」と忍さんから追求されてしまいます。もうバレバレですね。
「そうですね。蹴られたのを防ぎながらですから途切れ途切れではありますが」
しょうがないのである程度は聞いているという玉虫色の返事をします。
あぁ、すずかさんがうつむいちゃいました。
「そっかー。やっぱり聞かれちゃってるか。じゃぁ、詳しいことを話すから長いけど聞いてね」と、「いや、いいです」とは言えずに、「夜の一族」について詳しく説明されてしまいます。
簡単にまとめると、ただの普通の人間の突然変異が定着した一族で、美しい容姿と明晰な頭脳、高い運動能力や再生能力、あるいは心理操作能力や霊感など数々の特殊能力を持つ集団であり、これらの代償として体内で生成される栄養価、特に鉄分のバランスが悪いため、完全栄養食である人間の生き血を求める、ということらしいです。
まぁ、こちらの知識とそう変わらないですね。これなら何とかなりそうです。
「そういえば、吸われた人も吸血鬼になるんですか?」
と一応知らない振りをして一番聞きそうなことを怪しまれないように聞いておきます。
「さっきも言ったけど、私たちは吸血鬼と言っても、物語にあるような吸血鬼そのものであるわけじゃないの。だから陽を浴びても灰にならないし、鏡にも写る。もちろん血を吸ったからと言って吸血鬼にできるわけではないわ。せいぜい貧血になる程度ね。一族の中には死ぬまで吸う奴もいるけど、そういうのは一族の中で処分されるわ」
「わかりました。それで、そこまで俺に話した理由を教えてください」
そう答えると、うつむいていたすずかさんが
「のび太君は怖くないの? 私たちは化け物なんだよ!」
と声を張り上げます。
「いや、化け物と言われても。話しを信じないわけではないですが、そんなこと言ったら俺だって十分、化け物ですし。」
「でも、私達は人の血を吸うんだよ」
「まぁ、そう言われるとそうなんですが。ただ、俺の持っているオーラの技術の一つとして、「誓約」と言うのがあるんです。詳しいことを除きますが、「血を吸う」という行為を条件に能力を底上げすることもできたりするんですよ。それを考えると根底のところで俺の持つ技術と変わりがないと言えるんです。もちろん無差別に人を襲って吸うとか、相手が死ぬまで吸うとかになると「人」としてまずいですが、そうじゃないでしょ?」
「そんなことはしないよ! 今は輸血パックから吸ってるんだから!」
「でしょう? なら、怖いとかはありませんよ。他人に害をなすとかじゃなければ、プラスマイナスひっくるめて体質とかで良いんじゃないですかね」
ちょっと強引すぎますかね? ただ、ここはなんとしても肯定することでうやむやにしたい。
「でも、人よりも強い力で相手を傷
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