第七章
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「いや、勝つのは」
「勝つのは?」
「どっちかっていうと」
「私の旦那様だよ」
ジュリオ、彼だというのだ。
「旦那様が勝つさ」
「そう言える根拠は?」
「その根拠は何だい?」
「旦那様は力だけじゃないんだ」
剣を縦横に操るそれだけではないというのだ。
「もう一つの武器があるから」
「それが何だ?」
「もう一つの武器があるっていうと」
「頭だよ」
それこそが、というのだ。
「それだよ」
「ああ、頭」
「頭を使ってか」
「あの人は戦うのか」
「力だけじゃないんだな」
「頭がよくないと」
観客達もレオの言葉をl聞いて言うのだった。
「勝っていけない」
「そういうことか」
「そうさ、旦那様は確かに力が強い」
巨大なトゥーハンドソードを縦横無尽に使ってみせている、それも長い時間。膂力だけでなく足腰も腹筋背筋も相当なものだ。
だが、だ。それだけではないというのだ。
「けれどあれで頭も切れる」
「じゃあその頭のよさをな」
「これから見せてもらうな」
「どうして勝つのか」
「それをな」
「観てくれ」
是非に、と言うレオだった。
「旦那様のもう一つの武器を」
自信を以て言うレオだった、そして。
ジュリオは仮面の騎士と果敢に闘い続けた、それはまさに力と技の勝負だった。だが銀の火花を散らす死闘が遂に六百合になったところで。
ジュリオはその剣をだ、何と。
騎士に向かって投げた、この行為を観て誰もが驚いた。
「何っ、武器を!?」
「武器を投げただと!」
「まさかそうしてか」
「仮面の騎士を倒すのか」
「その投げた一撃で」
「いや、違う」
だがここでだ、レオはまた言った。
「あれで倒せればいい、しかし」
「しかしだよな」
「それでもだよな」
「あの騎士の動きなら」
その俊敏さ、そして動体視力ならというのだ。
「あれ位の動きはかわせる」
「それで何故投げたんだ」
「自分の武器を」
「武器がなくてどうして闘える」
「幾らそうしたやり方があるにしても」
武器を投げて敵にぶつけて倒すやり方もというのだ。
「しかしそれが効かない相手に何故する」
「どういうつもりだ」
「確かに意表を衝いたが」
「それだけでは」
仮面の騎士には勝てない、誰もが思った。
剣は激しい、獣の咆哮の様な唸り声をあげて凄まじい縦の回転で仮面の騎士に向かった。当たれば間違いなくそれで勝負が決まるものだった。
だが誰もが予想した通りだ、仮面の騎士は。
その攻撃を左に跳んでかわした、これで誰もが勝負は仮面の騎士のものだと思った。だがそう判断するのは早かった。
何とジュリオは投げただけでなくだ、それと共に。
騎士が跳んだその着地の方にだ、自身が突進してだ。
右
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