第三章
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「ですから」
「またそう言うのか」
「はい、お酒にはお気をつけ下さい」
「ううむ、しかしだ」
ジュリオもジュリオで自身の言い分を言う。
「酒はだ」
「それはですか」
「そうだ、実に美味くだ。飲んでいるとだ」
「お心がですね」
「晴れる、最高の飲みものだ」
だからだというのだ。
「ビールだけでなくワインもな」
「そちらもですね」
「飲んでしまうからな」
「だからだというのですね」
「飲むのだ」
それも多く、というのだ。
「だから今日もだ」
「全く、そう言われて今日もですね」
「飲む、いいな」
「ですから程々に」
それでも注意するレオだった、だがジュリオはこのことについてはだった。その彼の言葉を聞こえないふりをして。
そのまま飲み屋に繰り出して飲む、その中で。
ビールを何杯も美味そうに飲む、そしてだった。
その中でだ、お供のレオに言うのだった。
「噂通りだ」
「これで何杯目ですか？」
レオは上機嫌の主にむっとした顔で返した。
「一体」
「おい、まだそう言うのか」
「ですから旦那様は」
「飲み過ぎだと言うんだな、ここでも」
「そうです、全く。飲みはじめると」
それこそというのだ。
「止まらないですから」
「ははは、好きだからな」
「そうした問題ではありません、しかし」
「それでもか」
「はい、程々に」
「あと三杯だな」
一杯ではなかった。
「それで止めよう」
「つまり六杯飲まれるのですね。これから」
ジュリオが酒を飲む場合はそうなる、酒のことについては彼の数えは倍になるのが常なのである。
「全く、深酒さえなければ」
「そう言うな」
「とにかく。競技は」
「うむ、優勝してな」
「あの仮面の騎士にもですね」
「勝ってそしてだ」
そのうえで、とだ。ジュリオはこのことは普通に言った。
「その素顔を見るか」
「負けた時にその仮面を脱ぐと言ってますからね」
「それならだ」
「旦那様が勝たれて」
「素顔を見よう」
こうレオに言いつつ飲む、そして。
そのうえでだ、彼はこう言うのだった。
「是非共な」
「では私は及ばずながら」
「私の世話をか」
「させて頂きます」
「それではな」
こうしたことを話してだった、ジュリオはこの日はこの後ビールを六杯飲んでそうしてだった。宿屋に帰り休んだ。そして次の日から競技に出てだった。
その自慢の剣技で勝ち進んだ、剣の刃は落としているものが使われていて全員甲冑で武装して闘う。その為死ぬ危険は殆どなかった。
そのジュリオの戦いを観てだ、観客達はそれぞれ言った。
「やはり強いな」
「うむ、カサゴール殿はな」
「噂通りだ」
「強いな」
「見事な剣技だ」
そうだというのだ、そして彼の
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