暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外23話『急転直下』
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拳、しかも力も8割程度しか込められていない拳を数発受けただけで決して軽くないダメージを受けているエネルの姿と、単なる武装色の拳など足元にも及ばないほどの魚人空手陸式の威力。それらを鑑みれば、その一撃でエネルを倒すことに成功していたはずだった。もしも倒せなくとも大ダメージを与えることには間違いがなかった。

 つまり、ほぼ確実にハントの勝利が決まっていたということなのだが、あと僅かで決まっていたはずだからこそ、ハントは内心で歯噛みをしてしまい注意を逸らしてしまっていた。いくらハントが優勢に事を運んでいたとしても、相手は自然系の悪魔の実の能力者。しかもゴロゴロの実。攻撃力だけ見ればハントに深手を与えたクロコダイルよりも高い。

 ……いや、それはある意味では必然のことだったのかもしれない。

 銃と槍。
 もしもハントがそのどれかで攻撃をされて、無防備な背中にその一撃をもらってしまえば大きなダメージとなってしまうのだから注意を向けてしかるべきだし、なによりもいきなりの乱入で反射的にその乱入者の攻撃を避けてしまったり、その乱入者そのものに戸惑いを覚えてしまうのもある意味では仕方のないことだ。

 だが、今ハントが戦っている相手はゴロゴロの実の能力者のエネル。
 エネルから見れば銃も槍もおもちゃみたいなものでしかなく。だからこそ、注意すべき人間は乱入者のシャンディアではない。

「ヤハハハハハ! もらったぞ! 空中では避けられまい!」

 そう、ハントは背後からの銃撃を避けるために飛び跳ねた。よって、今は空中。しかも一瞬とはいえエネルから気をそらしてしまっていた。
 つまり――

「!?」

 ――身動きが取れる態勢にはない。

「神の裁き」
「っ」

 武装色により全身を黒く変色させたハントを、巨大な雷光が包み込み、貫いた。




 エネルとハントが対峙した地。
 シャンディアの男が3人、女が1人。黒焦げになって地に伏している。
 そして、その近く。
 ハントもまた、黒焦げになって地に伏していた。

「これでまた再び私の天下……やはり私こそが神なのだ」 

 動きそうにないハントを黄金の棒で数回ぶんなぐり、それでもハントが動かないことを確認したエネルはホッと息を落とす。ほとんど無自覚に漏れたため息。その感情の正体にも気づかずに、エネルは思い出したように周囲へと首をめぐらせる。

「ふむ、3時間まで残り半時間ほどか。どうやら大分絞られてきたようだな」

 言葉を落とした次の瞬間にはもうエネルの姿がこの場から消え去っている。
 サバイバルが始まり、もうすぐ3時間。
 地に伏す人間の数に比例して静けさが増していくアッパーヤード。
 倒れた彼らは神官だろうが、シャンディアだろうが関係な
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