第四章
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青年は確かな顔になってだ、こう言った。
「それでは」
「今からだな」
「インベスのこと、君達のことを話させてもらうよ」
「それではな、聞かせてもらう」
呉島が応えてだった、そうして。
ライダーだった者達、光実だけは今もそうだが彼等はそれぞれ青年の話を聞いた。そしてそのことを知ったのだった。
「驚いたな」
「そうだな」
驚愕の顔になっている城之内にだ、ザックが応えた。
「まさかインベスがな」
「そのスサノオが生み出したもので」
「あのおっさんはか」
「DJサガラは」
ここでこの名前が出た。
「あんたと同じ」
「そうした存在だったんだな」
「そう、僕達と同じ」
「スサノオと対立する者」
「そうだったんだな」
「彼は全ての破滅と再生を促す蛇だけれど」
しかし、というのだ。
「その破滅はあくまで進化の一つなんだ」
「人類が滅亡するかというと」
「さらなる進化、けれど彼はその進化を生物上のこととしか思っていなかったんだ」
「ああ、そうだよ」
ここでだ、そのだ。
サガラ出て来てだ、こう言ったのだった。
「俺はずっとあいつと会うまでそう思っていたんだよ」
「また急に出て来ましたね」
「俺はそれが出来るからな」
それで、というのだ。光実に。
「そこが人間、生物上のそれとは違うんだよ」
「そうですか」
「そうさ、それでな」
「それでここに来て」
「丁渡こいつも来てるしな」
黒衣の青年も見て言うのだった。
「話すには都合がいいさ」
「それじゃあ」
「ああ、俺はずっとそう思ってたんだよ」
「破滅と再生はですね」
「進化だってな、けれどな」
「それは違った」
「生物的にじゃないんだよ」
「ではその進化は」
「精神的になんだよ」
そうすればというのだ。
「どうなるかなんだよ」
「それが」
「ああ、あいつ等を見てわかったさ」
「紘汰さん、そして舞さんを見て」
「わかったんだよ、精神的になんだよ」
「進化していく」
「馬鹿だな、俺も」
サガラはここで自嘲も込めて言った。
「ずっとそうしたことがわからないで色々な生物を破滅させてきたんだからな」
「それが君の罪」
青年はサガラにこう返した。
「けれど君はそのことに気付いた」
「ああ、はっきりとな」
「そして今の君の考えは」
「その生物の精神的な進化を促す」
「そうした考えになったね」
「つまり人間のな」
今の彼が前にしている、というのだ。
「そうした考えになったんだよ」
「そしてインベスは」
「スサノオが生み出したな」
「知恵の実は全て」
「そうなんだよ、スサノオがな」
「僕達に仕掛けた罠だったんですね」
「あれは力なんだよ」
それに他ならないというのだ。
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