第一章
[2]次話
仮面ライダー鎧武 信じた道
呉島光実は日常生活に戻っていた、兄の呉島貴虎ともその関係は修復していた。
だがだ、彼は今も葛葉紘汰、高司舞のことを忘れられなかった。それでチーム鎧武でもだった。
チャッキーやリカ、ラット、そしてザックやペコ達とダンスをしていてもだ。空虚なものを感じていた。
城乃内秀保、凰蓮=ピエール=アルフォンゾとシャルモンで会ってもだった。
打ち解けない、それでリカが言うのだった。
「ねえ、もうね」
「気にするなっていうんだね」
「もう終わったことだから」
それで、というのだ。
「皆気にしていないわよ」
「今更気にしてどうするんだよ」
ペコもこう言って来た、ダンスの後で。
「ライダーの戦いは終わったんだからな」
「終わった、そうなんだね」
「そうだよ、インベスもいなくなったからな」
こう光実に言うのだった。
「それでどうしてなんだよ」
「けれど僕は」
「ああ、確かにとんでもないことを沢山したさ」
ペコもそのことは咎める、そうした顔になっている。
「けれどな」
「終わったことだから」
「もういいじゃないか」
「俺達はもう戦うことはないんだからな」
ザックもだ、こう言う。
「それでどうしてなんだ」
「というか」
「そうよね」
チャッキーとラットもだ、光実に言って来た。
「別に」
「そんなことを気にしても」
「仕方ないから」
「もう過去のことは水に流して」
「そのうえで」
そうしてというのだ。
「ダンスをしよう」
「これからも」
「そう出来たら」
光実は俯いたままだ、彼等に返した。
「いいね」
「まあそれはね」
「難しいか」
リコとペコはその辺りのことを察して述べた。
「色々あったからね」
「だからな」
「けれど、もうね」
「かなりの時間が経ったからな」
それで、というのだ。
「そろそろね」
「忘れたらいいさ」
仲間達はこう彼に言う、そしてシャルモンに行くとだ。
この日は二号店を預かっている城之内も来ていた、光実は鳳蓮と共にケーキを食べつつ三人で話したがだった。
ここでも今一つ浮かない、その顔で。
城之内にだ、こう言ったのだった。
「じゃあもう」
「うん、初瀬さんのことは背負っていくさ」
城之内は苦さに耐えている顔で答えた。
「それが俺がしたことだから」
「そうですか」
「だから俺はこのままやっていくさ」
「原罪、ですか」
「そうだな、そうなるな」
城之内はその顔のまま光実に答えた。
「俺は」
「強いですね、城之内さんは」
「仕方ないだろ、自分はやったことはな」
「自分で、ですか」
「背負うしかないからな」
それ故にというのだ。
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