第一章
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アオザイ
ゴー=ザン=パップはホー=チ=ミンに昔から住んでいる。もう九十になるが今も矍鑠たるもので背筋もしっかりとしている。
九十を越えた今もだ、その痩せてはいるがしっかりとした背筋の中背の身体で。
屋台を轢いてそうして麺を売っている、それで生計を立てている。
その彼にだ、曾孫の一人ミンは曽祖父の店を手伝いつつ問うた。
「ひいお祖父ちゃんってまだ働くの」
「それがどうかしたか」
「お祖父ちゃんもお父さんも働いてるのに」
「いやいや、死ぬまで働かんとな」
ゴーは曾孫に飄々と笑って答えた。
「駄目だからな」
「それでなの」
「今もこうしてな」
「屋台轢いてなのね」
「働いておるんじゃよ」
「そうなのね」
「それよりもミンよ」
ゴーはここで曾孫に問うた、まだ中学校に入ったばかりであどけなさの残る長い黒髪にラフな服装の切れ長の目の女の子をだ。
「御前はわしの屋台を手伝っておるが」
「それがどうかしたの?」
「またどうしてじゃ」
「だってお店手伝ったらお小遣いくれるでしょ」
「売れた分から少しだけな」
「お金になるから」
実に現金な理由であった。
「あとこれでお料理の腕を身に着けて」
「わしの跡を継ぐか?」
「そのつもりなんだけれど」
「屋台は辛いぞ」
その店でやっていくのはというのだ。
「毎日仕事が終わったらくたくたじゃ、そんなに儲からんしな」
「そうよね、けれどね」
「それでもか」
「私子供の頃からひいお祖父ちゃん手伝っているけれど」
「楽しいか」
「うん、とてもね」
にこりと笑ってだ、ミンはゴーに答えた。
「だからこうしてね」
「わしの店を手伝ってくれるんじゃな」
「そうよ」
「やれやれ、そうしたところはな」
ゴーは曾孫娘の言葉を聞いてやれやれとしながらも笑って言った。
「御前のお母さんと同じじゃな」
「お母さんもこうだったの」
「そうじゃ、子供の頃はわしの店を手伝ってな」
「それで料理上手なのね」
「子供の頃から作っておったからのう」
こう曾孫に話すのだった、店を開ける用意を二人でしつつ。ホー=チ=ミンの街でそうしつつ話すのだった。
「それでじゃ」
「やっぱりお料理は作らないとね」
「そうじゃな、しかし御前のお母さんはな」
彼から見た孫娘の彼女はというと。
「結局店は継がんかった」
「ひいお祖父ちゃん今もやってるからね」
「そうじゃ、昔は祖母さんと二人でやっとったが」
ここで祖父は遠い目になって言った。
「今は目がのう、祖母さんは」
「ひいお祖母ちゃんずっと眼鏡だけれど」
「麺も目じゃよ」
「目が悪いとよね」
「上手には出来ん」
手だけではないというのだ。
「だか
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