暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第27話「ヴィクトワールの悪魔狩り」
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に着くと、さっきまでの人ごみの騒がしさが嘘のように消えていた。
人通りは相変わらず多いのに、不思議と不快な騒がしさを感じない。
「いい場所です……心が落ち着きます…」
「うん……本当いいところだね……」
「気に入ってもらえたようだな。だが、ティータイムを楽しむのは任務が終わってからだ」
そう言うと、シャルルは持っていたカバンからファイルを取り出した。
ファイルを開くと、そこには数枚の書類と写真が入っていた。
その中から1枚の写真を2人に見せた。
「……これに写ってるのが、種別不明の悪魔、なの?」
「…確かにこんな悪魔、実際にも資料でも見たことがないですね……」
写真に写っていたのは、巨大な鷲のような影。
撮影されたのが夜だったらしく、詳しい姿は分からない。
分かるのは、とにかく巨大であることと、鷲のような姿をしているということ。
「この写真が撮られたのは3日前のことだ。パリの上空で偶然発見された。似たようなものを見た
という目撃情報が、この1か月の間で4件はある」
「確かに正体は分かりませんけど……種別不明の”悪魔”と断定した理由はなんですか?」
クリスの質問に、シャルルはもう1枚写真を見せた。
そこには、さっきの写真と同じ鷲のような姿と、近くに何かの建物が一緒に写っていた。
「建物と比較すると、明らかに自然界に存在しないサイズであると分かるだろう? 全長は単純計算
でも約15m。どう考えても不自然すぎる。だから上は悪魔と断定した」
「なるほど…人前に不自然な巨体を晒すということは上位の悪魔ではないはずです……ってあれ?
アイさん? どうしたんですか? さっきからボンヤリして」
「えっ? あぁ、何でもないよ? 本当に大きな鷲だったら、背中に乗ってみたいなぁ、なんて」
アイリスの言葉に、クリスはフフッと笑い、シャルルはきょとんとした表情を浮かべる。
「アイリス……君は変わった悪魔狩りだな……」
「アイさんはいつもこんな感じなんです」
―――【パリ・どこかの建物の屋上】
「ははっ、愉快愉快。面白いことを言うな、あの銀髪の少女」
「なんだか……楽しそうです」
フード付きパーカーに半ズボンの少年と、Yシャツにスカート姿の少女が、アイリス達のいる方角を
見ながら笑っていた。
「さて、それはさておき……”フレースヴェルグ”が人間の前に姿を見せるようになるとは……面倒な
流れになってきたか…?」
「悪魔狩りさん達……大丈夫でしょうか?」
「苦戦はするだろうが、倒せない相手ではないだろう」
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