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戦闘城塞エヴァンゲリオン
第3話Aパート『あなたが守った街で』
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それから、困ったことがあったら気軽に声をかけてくださいニャ。」
そう言って大家さんは掃除に戻って行った。


ひとまず、バッグからわずかな衣類を取り出し、押し入れの衣類ケースに収めた。座布団を2枚敷き、ノートパソコンを座卓の上に置く。
ウィル子は窓と雨戸を開けて、多少澱んでいた空気の入れ替えをしている。埃っぽいとパソコンによくないからだろう。

そういえば、外では自分の足で歩いていたが、アパートに入ってからはふわふわ浮いている。大家さんがあきらかに人間以外の種族だったからか、人間を装う必要もないと安心していられるようだ。

座布団に座って。お茶の一杯も煎れたいところだが。やかんはあれど茶葉も急須も無い。頭の中で買い出しリストに追加する。
炊飯器は必需品として、電気ポットもできれば欲しいところ。電子レンジは贅沢だろうか?


ふと、思い出して、
「先程言っていた“神になる”とは」
窓から吹き込む風にふわふわ揺れていたウィル子に、訊いてみると。

「ウィル子は、電子世界の神になるのですよー。
真っ先に、アンチウイルスソフトを作っている全部の会社を、潰してやるのです。」
満面の笑みでそんなことをのたまう。ウイルスにとっては不倶戴天の敵だろうが、彼らにも生活がある訳で。

「で、世界中を光回線で繋げて快適に侵入できるようにするのです。
あらゆるデータを食べ放題。ついでに、世界中のスパコンをウィル子の別荘にしてやるのですよー」
まさに傍若無人。まあ、そういうモノを神と呼ぶのかもしれないが。

世界を律する権利を持つ聖魔王。それになれば、電子ウイルスの精霊は、電子世界の神に。なれるのだろうか。


  ◇  ◇  2  ◇  ◇


さてそろそろ買い出しに出かけようと。出不精症候群の発作を一時克服したヒデオが立ち上がったところで。
来客を告げる、チャイムが鳴った。
新聞の勧誘かセールスの類か。宗教の勧誘とかだったらイヤだな。

「ヒデオさーん」という声は、大家さんのもので。
少し安心してドアチェーンをはずしてドアを開けると、大家さんともう一人、女性の姿。

「大会本部から、小大会の賞金が届きましたのニャ」
封筒をふたつ渡される。宛名書きはそれぞれ、ヒデオ殿、ウィル子殿となっており。
小大会参加の賞金、10万チケットがそれぞれ入っているらしい。買い出しの予算が増えて素直にうれしい。

「“使徒”を撃退したとか、評判になってますニャ。すごい参加者さんに入居してもらって、私も光栄ですニャ」
ぴこぴこと耳を動かし、目を輝かせていた。そういう見られ方は少々苦手なのだが。

「あと、さっきお隣さんが越してきたのですニャ。ご挨拶したいらしいニャ」
女性を示す。なるほど、挨拶まわりというやつ
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