第十四話。再会と神隠しの噂
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「ふぅー……安心するとくったりするねぇ」
べたー、と詩穂先輩が机に突っ伏した。
そんなちょっとした仕草や様子も可愛らしくて、思わず見惚れてしまう。
「やはり可愛い先輩の姿を見ると、とても安心するね!
先輩の姿を切り取って部屋に飾りたくなってきたよ」
かかりは甘いが、若干ヒステリアモードになってしまっていた俺は思わずそんな事を言ってしまった。
「ふんっ、変態っぽいわよモンジ」
「あ、わ、悪い」
どうも最近の音央は機嫌が悪い。
無事に助かって、キリカの家(の浴室)から出た直後からだろか。
普段からツンツンした性格だったが、最近はさらにキツくなっていた。
「んもう、バカっ」
音央は腕を組んだまま、俺と視線を合わせようとしない。
なんとなくタイミングが掴めないせいもあって、まだ色々な説明が出来ていないのだが……やっぱりまだ様子を見た方がいいのだろうか?
「それにしても、本当に良かったよモンジくんが無事で」
詩穂先輩はそう言って、俺を見つめてきた。
俺も先輩の顔を見つめ返した。
「詩穂先輩の為なら黄泉の国からでも戻ってきますよ」
「あははっ! 今のモンジくんなら出来るかもねっ!
音央ちゃんも無事で良かったよ?」
「え、あ……ありがとうございます、会長」
自分も言われるとは思ってなかったのか、音央は少し動揺しながら先輩を見つめた。
「えへへ。はふぅー……もう、最近怖い事が多いから疲れちゃって……」
「怖い事が多い?」
「そうなんですか、会長?」
一つの事件が解決したから安心していたが、詩穂先輩は他にも何か情報を知っているのだろうか?
昨夜の『破滅の悪戯妖精』の事も……かなめが隠す能力についての噂も……。
「うん。いっぱいあるけど今流行ってるのは、『破滅の悪戯妖精』と『夜霞の隙間女』。
それに……『神隠し』だね」
「『神隠し』……」
俺と音央は顔を見合わせた。
『破滅の悪戯妖精』や『隙間女』も気にならないと言えば嘘になるが、それよりも『神隠し』の噂があるという事に驚いた。
確かに、『富士蔵村のロア』である『人喰い村』の詩乃ちゃんは『神隠し』に名付けられたと言っていた。
だが、こうも早くまた噂になるなんて……。
そう思っていると、詩穂先輩が続けた言葉に俺はさらに衝撃を受ける事になった。
「夢の中に、女の子が出るんだって」
「っ!」
心臓が早鐘を打つ。
『夢の中に出る女の子』。
それは、俺が今まさに体験しているもので。
「で、その子の夢を何度か見ているうちに、その女の子が、彼女のいる世界に連れ去っていっちゃって、二
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