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101番目の舶ィ語
第十四話。再会と神隠しの噂
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《・・・・・》の匂い。
驚いた俺は背後を振り返って思わず固まってしまう。
抱きついた拍子に、或いは一之江に斬りかかれた拍子にフードが取れたのか、その子の素顔が現れたからだ。
その素顔は______息を呑んでしまうほどの、美少女だった。
パッと見た感じでは、見た目は俺が知るその子よりも1、2歳年上の15、16才くらいのような印象で高校生くらいに見える。
栗色のボブカットの髪、自信に満ちる目はパッチリとしていて、瞳は青みがかった深海色で、鼻筋はスラッとしていて唇はピンク色だ。
胸は重巡洋艦級から成長していて、戦艦級になっている。
全体的に……俺が知る彼女よりも少しだけ成長して(・・・・)いる。

「会いたかったよ、お兄ちゃん(・・・・・)

そう。
何故だか、俺の前世の妹。
遠山金女(かなめ)が目の前にいた。





2010年6月2日。午後8時。一文字家。

今、俺の目の前にはありえない光景が広がっている。
何故だか帰った直後から不機嫌な理亜。
顔は笑っているが目が笑っていないリサ。
不機嫌な態度を隠す気がまるでないかなめ。
……そして、何故だか俺の家のソファーでアイスを咥えて寛いでいるアリサ。

……何だこれ?



……よし、まずは状況を整理してみよう。
今日、俺は一之江と境山に行って『境山ワンダーパーク』で『神隠し』が起きないか、確認しに行った。
ここまではいい。
それで帰り道に、突然乗っていた車が故障して、Dフォンが赤く光ったかと思ったら『破滅の悪戯妖精(グレムリン)』の格好をしたかなめに抱きつかれて、一之江に白い目で見られて、一旦、キリカの家に寄ったらリサとかなめが何やら話して仲良くなって……。
で、家に帰って来たら何故だか女子達がみんな怒り出したわけで……。

……ダメだ、わからん。

解るわけないだろ??
なんでキレてんだよ、この3人は。

「あー、お前ら……」

「だから言った通りです。
兄さんは疲れていてゆっくりしたがっているんです。
兄さんの疲れを癒せるのは長い間、兄さんと一緒に暮らした私以外にいません。
ですから明日からも兄さんのお世話は私がします!」

「いえいえ、遠……一文字様のお世話をするのはメイドである私の担当です。
おはようからおやすみまでご主人様専属の使用人であるリサがします」

「2人とも何、勝手な事言ってんの?
お兄ちゃんのお世話をするのは妹の私に決まってんじゃん。妹こそ最強なんだから黙って引き下がりなよ?非合理的ィ」

「わ、私も妹です」

「はぁ? ただの従姉妹が真の妹に勝てるわけないじゃん。
血が繋がっている私こそ、最強の妹なんだから」

「いえ、やはりここは年上が一番かと。
私の一
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