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101番目の舶ィ語
第十三話。一之江の秘密
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喰い村』そのものですから。
『村』が人間の心を持っていたりする、という話は聞きません」

一之江の説明でやっぱりなぁ、と思ってしまう。
人の姿をしているからといって、人の心を持っているとは限らないらしい。

「もっとも貴方の話によると、そんな『村』に名前を付けた者がいるようでしたけど」

「……『神隠し』か」

「名前を付けられれば、そこに『人格』が生まれます。貴方お得意のナンパ……トークが出来るかもしれませんので、まあ説得の可能性は……」

「ありそうか?」

「やっぱりないでしょうね」

「だよなぁ」

はぁー、と溜息を吐いてからガックリと肩を落とした。
一之江の言い方から察するに、「試してみてもいいけど、責任はもちませんよ」という事だな。

「そういえば、一之江も信じているのか?」

「はい? 自分の美しさをですか?」

「それはわざわざ聞かなくてもお前なら信じてるだろう。
そうじゃなくて。ほら、詞乃ちゃんの名前が、『神隠し』に付けられたっていう話だ。
あれは詞乃ちゃんが俺達を惑わせる為についたハッタリ(ブラフ)だったっていう可能性は?」

「無いでしょうね。強いロアほど嘘をつけば自分の存在が危うくなりますから」

「ん? そうなのか?
そういや、そんな話も前にチラッと言ってたなぁ」

「適当な噂が流れれば、信憑性が薄くなっていくでしょう?」

「ああ……確かに」

一つの噂に余計な尾ひれが付き過ぎると、その噂はつまらないものになって人々の口から語られなくなるな。

「それが『嘘』ともなれば、自分の存在を変革してしまうかもしれませんしね」

「あくまで噂がベースな存在だけに、嘘をついたら存在そのものが危ういって事か」

「我々『ハーフロア』だと人間的な意識があるので、調整が効きますけど」

「噂から生まれた『ロア』は、自分のついた嘘に流されるかもしれないんだな」

だから嘘はつけない。強ければ強いほど。

______キリカもそうなんだろうか、なんてぼんやり思う。
あいつも、隠し事はあってもあんまり嘘はついてない気がするしな。

それにしても、俺はまだまだ無力だな。
今回も一之江の能力があったからなんとかなったが、本当にこの調子で残り九十八話?九十七話かな?
『百物語』を無事に完成させる事が出来るのだろうか?

「おや、珍しいですね、しょんぼりした顔をして」

「いや、せっかく一之江とテーマパークに来たのに、遊ばないで調査だけして帰るってのももったいないなー、なんて思っただけだ」

バレてないよなぁ?
内心の焦りや自身に対して感じた憤りを隠しながら軽口を叩いて誤魔化したが、一之江は俺の心を読むからなぁ。

「……なる
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