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101番目の舶ィ語
第ニ章。妖精の神隠し
第十二話。『次は……しましょうね』
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「だからお前が仲良くしているのを見ると妬ましいわけだよ」

「理不尽だろう?? キリカとかは多分、お前の事を嫌ったりしないと思うぜ?」

一之江や音央は確かに気が強いからそういう事もありそうだが、キリカに至ってはなさそうな気がする。
そもそも『人を嫌う』という概念を持っているのかすら怪しいからな。
もしキリカが嫌う事があるとしたら……魔女だけに『人間を増悪する』とか、そっちの方向になるだろうしな。
だからアランみたいな奴がセクハラ発言をしたりしたくらいじゃ、嫌ったりしないだろう。
……多分。

「マジか?? もしかしてキリカたんは僕の事を……?」

「面白い人(笑)だって言ってたぜ」

「よっしゃあー??」

思いっきり叫んでガッツポーズをしたアラン。
そして、そんなアランを微笑ましく見守るクラスメイト達。今日も俺達のクラスは平和だ。

「モンジ。アランさんとラブラブなのは構いませんが、そろそろ行きますよ」

俺の背後から声がかかった。
振り返ると一之江は冷めた視線で俺達を見つめていた。

「誰と誰がラブラブだ??」

「ユー、アンド、ヒー」

「何故英語??」

「英語の宿題を片付けていたからです」

そういえばさっき、そんな宿題が出たような。
一之江は授業終了からホームルームにかけて、ずっと宿題をしてたのか。
どうりで静かだったはずだな。

「モンジとラブラブ……待てよ?
モンジとラブラブになったら、もしかしてモンジの周りの女の子達とも仲良くなれるんじゃ……?」

「お前は落ち着け」

ゴスっとアランの頭に頭突きをお見舞いしてやった。
GIIIやシャーロックに通じた俺の必殺技だ。
頭突きを食らわしてやったアランは痛みに悶えている。
桜花を使わないだけ、俺は優しいと思う。

「そういや、キリカは?」

「気になる事があるからと、早々に市立図書館に行きましたよ。
『モンジ君によろしくね、キャピキャピ』って言ってましたよ」

「キャピキャピ、はお前の演出だろ?」

「実際に言ってましたて」

「……言い切られると、言ってそうなヤツだから強く言い返せねえな」

「言ってましたて」

二度も言われると本当にキリカが『キャピキャピ』と言っていたような気がしてきた。
押しの強い発言には用心が必要かもな。

「音央さんは?」

「あいつは……なんだろうな。ちょっと避けられてる気がする」

あの後。キリカの家からあいつの家の前まで送り届けたんだが、その時から様子がおかしかった。
なんというか、やたらと曖昧な態度をとられるんだ。
話しかけても生返事だったし、色々説明しようとしても『また今度でいいわ』って言われるし。
もしかし
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