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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
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第四十五話 様々な想い
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るのだろうかと思ってはいたが、意識が戻りながらも攻撃してきた際、やはり明確な敵意までは感じられずにいた。
 そして、最後の言葉により混乱しているところに起きた異変である。もとより敵なのか判断ができずにいる相手からの『お願い』であるが、それを無視することはできなかったようだ。

 もはや迷いが無い以上、行動も早い。紫苑はかつてヴァルキリー・トレース・システムにより暴走したラウラにそうしたように、すぐに自身のISからコード引っ張りだして直結、ハッキングを試みた。

(おかしい……確かにあの時と似ているけど、エネルギーがコアに集まっている。無理やり高めたエネルギーを全てコアに送り込んだら……まさかそれが狙い!?)

 過剰なエネルギーが限界を超えて一カ所に集中すればどうなるか。ロクなことにならないだろうことは、容易に想像できる。ましてや、ISというものは操縦者とも密接にリンクしているのだ、このままいけばナターシャ自身にも何かしらの影響が及ぶことは間違いない。

(やっぱり、VTシステムとは違う。なら、このプログラムの本来の目的は……ん?)

 コアへのエネルギーを分散させる操作を行いつつ、根本の原因を探ろうとする紫苑だったが、ようやくその糸口をつかむ。

(この部分はVTシステムとは共通しているけどベクトルが逆だ……。この数値が影響するもので、可能性があるものは……フォームシフト!)

 いくつもの可能性を考察しながら、彼はようやくその答えを導き出す。

(そうか、元々は人為的にフォームシフトを促すためのプログラムだったのか! それが原因で暴走、その上で僕らとの戦闘が引き金でセカンドシフトまで起こった……? でも僕以外からもハッキングを受けた形跡が微かにに残っている……暴走直後? 巧妙に隠されているけどこのやり口は……いや、今はそれよりこの異変の原因を止めないと!)

 次第に明らかになってくる原因や、いつぞやも感じた既視感。混乱しそうになる頭を振り払い、紫苑は必死に異変を食い止めようとする。少しずつプログラムの影響を取り除き、やがてその本体を突き止めて消し去ることに成功。
 黒ずんでいた機体も徐々にその輝きを取り戻し、異変も終息した……かと思われた。しかし、直後。

(しまった、コアネットワークを使った強制アクセス!)

 突如として別のプログラムが起動した。それは先ほどまでのような未知のものではなく、目的もはっきりしているもの……自爆プログラムだった。しかも、それはハッキングのような類ではなかった。であれば、それが可能なのはこの機体の直接の管理者のみであろう。
 その上で、紫苑のハッキングが向こうにも把握されているのか明らかにそれに対する抵抗があった。結果的に後手に回らざるを得ない紫苑は徐々に押される形となる。
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