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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
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第四十五話 様々な想い
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でこの場所に現れる人間なんて、亡国機業と疑ってかかって当然でしょ?」
「ふふ、そう。まぁ、別にもうここを去るつもりだったからどうでもいいのだけれど」

 楯無の言葉に動揺することもなく、心底なんでもないようにただ頭を振るスコール。

「でも、私からも聞きたいわ。あなた……何歳なの? スコール・ミューゼルの名前は、30年以上前から記録に残っている。でも、今のあなたの姿はとてもそんな歳には見えない」

 楯無が得た情報によると、かつてスコールは米軍に所属していた時期もあり、しかしそのとき登録されている容姿とはかけ離れている。そもそも逆算すると、年齢からして既に50歳近いはずなのだが、目の前にいるスコールの容姿は30歳前後と言われてもおかしくない。別人の可能性も無くはないのだが……。

「ふふ、レディに年齢に関して聞くなんてマナーがないわね。まぁ、いいわ。それにしても、だったらなおさら私を疑う理由なんてないと思うのだけれど?」
「そうね、あなたを疑うに至ったきっかけ……それは紫音ちゃんを見るあなたの目が厭らしかったからよ! まるで興味深い研究対象を見るような目だったわ、もっとも最初はそっちの気があるかとも思ったけれど……」

 はぐらかすように、逆に質問で返したスコールに対して楯無はやや感情的に答える。
 それを聞いたスコールは、表情をわずかに崩す。まるで、何を言っているのかよくわからないといった様子でポカンとしている。しかしそれも一瞬で、理解が及んだのか額に手をあて、憚ることなく笑い出す。

「あはっ、あははは! そんなこと。だって仕方ないじゃない? なにせ()は……」

 スコールが全てを言い終わる前に、楯無はISをフル展開してミステリアス・レイディの武装、蒼流旋で彼女に襲いかかる。

「あなた、どこまで……!」

 しかし、そのスコールには届かない。蒼流旋の先端が彼女の胴へと到達する直前、何かにぶつかるようにして止められる。一般的なバリアや絶対防御とは違う感覚に楯無はチラリと視線をやると、そこには黄金の膜のようなものが槍先を防いでいるのが見てとれた。

「あっははは、ようやくあなたの驚いた表情が見れたわね。そうよ。世界で初めての、ISを動かした男の子。ずっと観察していたんだもの、それこそあなたよりも彼のことは知っているわ」

 癇に障る、甲高い笑い声に一層表情を歪める楯無。それが相手の思う壺だとわかっていても、情報戦において、しかも致命的な部分で自分が後れを取った事実。それがどうしても我慢ならなかった。

「なおさら、あなたをこのまま帰す訳にはいかなくなったわ」

 そう言うや、楯無は一旦距離を取り、構え直す。

「ふふ、私だって目的を果たしていないもの。あなたを倒して、その先に封印されてい
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