作戦会議
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〜〜Side of フェイト〜〜
「ごめんなさい……まさか高等裁判でも判決を全然覆せないなんて」
「あなたが謝る事じゃないわ、リンディ。私自身もとっくに覚悟はしていたもの。もしもの時はフェイトとアリシア……二人の事は頼むわね」
「まだ諦めないで下さい! 最高裁で今度こそちゃんとした判決を勝ち取って見せます!ですから悲観しないで下さい、プレシアさん。あなたがここで諦めたら、あなたを信じてフェイトとアリシアを託したサバタに示しがつかないでしょう!?」
「でも最年少執務官のクロノもわかってるんでしょう? さっきの裁判で、こちらの弁護や証拠を彼らは受け入れなかった。彼らの要求は私が破棄したプロジェクトFATEのデータと、成功体のフェイト……。彼らは“裏”に関わる連中よ、私も長年潜ってきた経験があるから一目でわかるわ。正攻法じゃこのまま続けても勝ち目がない。だからせめて娘達だけでも守らないと、今度こそ母親の資格を全て失ってしまうわ」
「母さん……」
「ママ……」
「ああもう、ややこしくて頭こんがらがりそうだよ〜! なんでこうなっちゃったのさ!?」
申し訳なさそうに謝るリンディさんとクロノ、儚げな笑みで私達を撫でてくれる母さん。哀しい現実を直視している母さん達の姿を見て、私と姉さんは何も出来ない自分に対する無力感を募らせて、アルフは訳が分からなくて頭を抱えていた。
さっきの裁判のように最初の裁判でも、何故か私達の意見は封殺されてしまっていた。言及しても、無視されるか余計立場や印象が悪くなる一方だった。難しい事はまだわからないけど、見えない所から来る策略で私達は追い詰められているのだろう。せっかく太陽の力があっても、この状況では何の役にも立たないよ……。
「清廉潔白なのが私達の売りだけど、こういう時に“裏”に対して圧力をかけられないのが弱みよね……」
「くそっ! 管理局は法を守る組織だから、どんな人間も公正に扱わなければならないというのに、それを自分たちの利益や権力のために改変して……! いつから管理局はここまで汚れてしまったんだ!」
リンディさんは最高裁で待ち構える策謀にどう立ち向かおうか思案していて、クロノは裁判所の対応に目に見えて憤っていた。八つ当たりとか怒鳴り散らすような真似はしていないけど、いつも冷静なはずの二人でも相当腹を立てているのがわかる。
でも“裏”への対応策を思い付かないから余計焦り、私達を助けたいのに裁判がちゃんと行われていないから怒り、それで対応策がまとまらなくて焦る……という悪循環に陥ってしまっている。
そんな膠着状態の空気が漂っていた時、待合室の扉が開いて管理局員らしき男女が入ってきた。一人はリンディさんの艦長服と似た、それでいて実戦向きのカスタマイズがされた服を着た男
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