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ウィッチの時間
2認められるという事
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けるのではと思いまして」
今日、朝の一時間目の前。ミナは本を読んでいた。
まだ大丈夫だと思っていた授業の予鈴のチャイムがなってしまい、慌てて本を閉じ持って行ってしまったのだ。
そして、今さっき気付いたのは本当の事である。
しかも図書室の本の整理は皆が寝静まった今頃行われる事を、ミナは知っていた。
「………」
訪れる沈黙。本当の事なのか調べているのだろう。
そして、ちいさな息を吸う音が聞こえると一瞬言葉に詰まったが、耳に声が届く
「外出を許可します。…ミナのことだし、付き添い入らないでしょう。見回りをしている先生方にも伝えておきますが。」
ミナはホッと心を撫でおろした。だがまだ安心はできない。
これからだ。先生はきっと声音を下げた。…注意事項となることだ。これを破ってしまうと、留年になりかねない。
ミナはくっと唾を飲み込み、言葉を待った。
「貴方の部屋から、図書館へと行くルートを離れてはいけません。…遠回りしても、近道をしても良いですが、図書館へと行く道は外れないでください」
ミナは思わず、「えっ」と言いそうになった。
遠回りしても、近道しても良い。
これはとても緩いのではないかと思ったからだ。
普通は先生のほうから道を決められ、そこを通らなければいけないみたいな決まりがあるのだが。
彼女がいままで真面目にこつこつとやってきたからだろうか。
「…わかりました。寄り道はいいのですか?…廊下で立ち止まって空みたりとか」
「構いません。…ミナならと学園長もおっしゃっていますし」
ミナは嬉しかった。
自分の事が学院長にも認められている事が。
「…っ、ありがとうございます!!…では、失礼します」
周りに迷惑をかけない程度に大きな声でお礼を言うと、そっと電話を切った。
そして嬉しさのあまり、大きくガッツポーズをする。
その時のミナの表情は、口角が緩んでいた。
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