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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第19話:納得いかない事がある。それが人生だ!
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仕事をしたいんだから」
そう言って彼女を席に着かせ、一緒に楽しく仕事をしていける環境を整える。

今日はまだ無理だろう……
でも自分の意思で戻ってきてくれたのだから、明日以降には見違える様なリュリュになってるに違いない。
父さんから貰った饅頭を食べさせながら、一緒に頑張ろうと誓い合う。



(グランバニア城・国王執務室)

暫くしてリュリュも落ち着いたので、僕は父さんの執務室を訪ねる。
仕事の話もあるけど、それ以外の用件もあるから。
しかし困った事に、父さんの執務室は黒山の人集り状態だった。

理由は明確だ。
リュリュが泣きながら父さんの執務室から出てきたから!
リュリュに気のある(ばか)共が、何事かと詰めかけてるのだろう。

ほら……聞き覚えのある声が響いてくる。
「一体何をリュリュさんにしでかしたんですか!? 泣いてましたぞ……あの美しいリュリュさんが涙を流してたんですぞリュカ殿!」

やっぱりリーダー格になってるのはラングストンだ。
奴の声が室内から聞こえてくる。
父さんの声が聞こえてこないって事は、忙しくてシカトしてるのかな?
でも何時まで我慢できるだろうか?

「良いですか……リュリュさんのピュアな心を傷付け「うるせぇな!」
何だ……もう我慢の限界か。
相変わらず早いなぁ……

「うるせぇとは何事ですか!?」
「うるせぇもんはうるせぇーんだよ! 家庭の問題に口出ししてんじゃねーよ! お前等は何なんだよ!? リュリュの彼氏か? リュリュの旦那か? “自称”や“希望”を語んなよ! どうせフラれる運命の他人共だろうが! 俺の家庭の事に口挟むんじゃねーよ!」

一人称が“俺”になってる……
あんまり怒らせないでくれよ……この後僕も用事があるんだからさぁ。
そんな事を考えながら、この鬱陶しい人集りを眺めてると、部屋の奥から誰かが誰かを殴る音が聞こえてくる。

殴られてるのはラングかな?
でもアイツ……そういうところで要領良いから、以外にスルリと躱して誰かを犠牲に逃げてるんだろうなぁ。
ってな事思ってたら、案の定……足下から無傷のラングが這いずり出てきて逃げて行く。

それを切っ掛けに、この人集りは蜘蛛の子を散らす勢いで解散された。
何人か血を流し担がれてる者も居たけど、それらを無視して落ち着くのを待つ。
そして静寂を取り戻した国王執務室へノックと共に入室。

「父さん……色々お疲れ様でした」
「ティミーか……お前もお疲れだったね。巧くリュリュの心を政務に縛り付ける事が出来た……助かったよ」

「いえ……父さんとウルフ君が作成したシナリオ通りに進めただけです。お二人のあくどさに比べたら僕なんて……」
「そんなに褒めんなよ……照れるだろ」
褒めてねーよ。
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