暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
月下の死闘(U) 〜舞い踊る剣舞〜
[10/12]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
う。
絡め取った剣をまとめて巻き取り、袖で縛り付けて放り投げた。
何とか捌いて砕いた四本、革ジャンで封殺した六本。
残るはイリヤを守る盾二枚。
一時は生きた心地がしなかったものの、これ以上ないと言えるほど完璧に対応出来た。
後は…………
「今のを凌ぐだなんて驚いたわ。身体を張るのは結構だけど、魔術師として殴る蹴るで打開するのはどうなのかしらね」
歌うように告げられる
Zugaben
(
アンコール
)
。
背後に感知する使い魔の気配。
どの型で復活するにせよ、この数を何度も相手してはいられない。
イリヤに向かって全力疾走。拳を握り締め、術式を用意する。
先ほどと状況は同じく、盾二枚を挟んでいるがさすがに彼女も身構えている。
「
verteidigen
(
塞ぎなさい
)
」
背後の使い魔が高速で集められ、盾に再形成されて展開される。
一枚ですら崩すのに術崩しの刻印弾五発を要した。
単純に考えても合計八体の盾型使い魔を突破するには、三十発分撃ち込まなければならない。
せっかく封じた剣型の使い魔六体も、盾に手間取っていてはいつ自由になるかわかったものではない。
ならばここは、初志貫徹と行くしかないだろう。
「行くぞ、イリヤ!!」
わざと怒号にも近い声を上げる。
待ち構える白き少女。
静かな微笑には強者の余裕が滲んでいる。
接敵寸前、拳を思い切り振り上げ。
走る勢いすらも乗せて一撃を叩きつけ──────
「……え?」
──────なかった。
イリヤの真横を素通りし、そのまま駆け抜ける。
完全に防衛に意識を傾けていたせいで反応が遅れ、俺を普通に取り逃がした。
使い魔の内一体でも攻撃タイプにしておけば良かったものを、全てを守備に回したせいでその布陣に穴が生まれた。
あわよくばイリヤを倒そうなんていうのは副次的な目的であって、そもそもフェンサーと打ち合わせた最優先目標は逃走なのだ。
打倒出来ずとも時間稼ぎは出来たし、フェンサーが戦闘離脱したのも確認した。
さすがに使い魔十二体による包囲網は肝を冷やしたが、犠牲になったのは革ジャンだけで済んだ。
さらば革ジャン。お気に入りだったけど命には代えられないんだ。
「ちょ、待ちなさい! こんなの許さないんだからー!」
使い魔を鳥型に再形成し追撃をかけようとするも、あらぬ方向へとんでいく。
もしくは墜落するモノまで出る始末。
「嘘、何で!?」
「バカめ、俺がやられるがままだとでも思ったか! ただ殴って使い魔潰してたワケじゃないぜ!」
こんなこともあろうかと行動系統を麻痺させる術式も仕込んでいたのだ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ