暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
月下の死闘(U) 〜舞い踊る剣舞〜
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はいかない。
一瞬で判断したのは、ただこの一時の呼吸を諦めることだった。
盾は未だ崩れず、それは必要弾数が四発以上であることを意味している。
(また仕切り直すにしても、盾を壊せるかだけでも確認しねえとなッ!!)
怯まず繰り出した四撃目。
残弾数の都合上、これで盾を貫なければ現状の手数では無理だ。
全身全霊を以て、抉るように穿つ肘。八極拳でいう頂肘という体技。
魔術刻印は肩口まで彫り込んであるので、肘でも術崩しを撃ち込むことはできる。
分厚いゴムを叩いた感触と共に盾が罅割れる。
(もう一発いるか……!?)
舌打ちしながら、肘を起点に拳を振り下ろして追撃。
五撃目にしてようやく盾一枚を砕いたが、これでは一歩届かない。
盾を突破するのに必要な術崩しの弾丸は五発。
残弾は四発。最後は力押しでどうにかするしかない。
意識を一時、鳥の使い魔に集中する。
容赦なく眉間に吐き出される光弾を首を捻って躱し、次弾は左腕で防いだ。
弾が撃ち出される間隔はおよそ十秒か。魔力を自己生成しているとはいっても、消費し過ぎれば自壊する。
安定して砲撃を行える魔力管理まで可能なのか。ただ複雑な行動、思考はやはり出来ないと見ていい。
距離が砲撃箇所の条件か?
魔力生成、攻撃行動……射撃と存在維持の魔力管理と、恐らく急所へのランダム発射かパターンがある。
三種類の使い魔は形態に関わらず、行動のほとんどが
自動設定
(
オート
)
になっていると思って間違いない。
さっきの盾合わせだけはイリヤの意思での連携だろう。
無駄と分かっているが、この最後の盾を突破出来ないので魔術による搦手で行く。
「
Blitz Wave
(
雷撃拡散
)
!!」
溜め込んだ魔力を、数十発の雷弾に変えて一斉掃射する。
共振させた分は一旦使い果たすが、共振増幅による魔力の再充填はそれほど時間は掛からない。
目標など定めていないただの乱射が鳥型使い魔を焼滅させる。
盾と鳥に当たって消えた分を差し引いても、まだ三十近い雷弾が周囲を浮遊している。
そう、霧散せずに宙に停滞している。
数の戦力差を今度はこっちが実践してやろう。即席の使い魔による盾の堅固さは賞賛に値するが、残りの盾は一枚。どうやっても一方向からの攻撃を守るだけで手一杯なはずだ。
「
Rushing to one's doom
(
惑いて落ちよ、燈火と共に
)
!!」
右腕を振り払うと同時、雷弾がイリヤに向かって一気に収束した。
突破できないなら全方位から囲めばいい。
そんな単純な考えで実行したが、現状これ以上の手立てがないのも事実である。
瀑布のように流れ落ちる電撃の嵐。生身で
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