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SAO−銀ノ月−
第椅子取話 参
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わっ……」

「ルクス!」

 マサキの暴風を発生させるソードスキル《神渡し》にダメージはなく、さらに刀身を暴風に変換させる為に追撃も不可能。しかし、ルクスがそれを知っているはずもなく、飛んできたルクスをリーファは放っておける筈もない。リーファは持っていた長剣に注意しながら、吹き飛んできたルクスを受け止める。

「よっしゃあ!」

 しかしてその側面には、マサキの代わりに追撃をするべく回り込んでいた、野武士面の侍がカタナを振りかぶっていた。リーファにルクスもそれには気づいたものの、態勢が悪く反撃どころか防御すら望むべきもない。

 やられる、という思考が頭を支配する。その後二人が感じたのは、胴に感じる鈍痛だった。

「痛っ!」

 その胴に感じた鉄棒で殴られたような痛みや、木々や石ころが満載された大地にゴロゴロと着地した痛みは確かに痛いが、カタナで一刀両断されたことを覚悟していた身からすれば拍子抜けだ。そのクラインは持っていたカタナを鞘にしまいつつ、ニヤリと笑いながら二人の少女たちに対しかっこつけて笑いかけた。

「フッ……安心しろ、峰打ち――」

「そこぉ!」

「だどわぁ!」

 いち早く復帰したリーファの突きがクラインに炸裂する。わざわざカタナを鞘にしまっている今、まったく防御することは出来ず。それでもクリティカルヒットではないのは、流石はクラインといったところか。

「おまっ……そこは峰打ちされたのを認めて降参、って流れだろ! 空気読めよ!」

 リーファに思うさま突かれた腹を抑えつつ、クラインがルクスとリーファに抗議する。その間に二人は無視して陣形を復帰させると、マサキが深々とため息をついた。

「何してるんですかクラインさぁん!」

「い、いやでもよ。無抵抗の女子を斬るってのも、ちょっとよぉ……」

「……下がってろ」

 いらん武士道を発揮したクラインを尻目に、再び風の刀身を発生させた《蒼風》を構えて前に立つ。半透明の薄青い風が刃と化し、ルクスとリーファは目を合わせる。……逃げるべきか、と。

 恐らく自分たちはマサキには勝てない。それはリーファもルクスも分かっているが、彼女たちには逃げる道はない……いや、正確には逃げても最終的には追い詰められる、か。それでも逃げて足掻いてみせるか、という考えがどうしても頭をよぎる。

「……なんてね」

 その思考をリーファは一笑に付す。逃げて足掻くぐらいなら、玉砕して一太刀でも浴びせてやるのが彼女流だ。二人はアイコンタクトで意志を統一すると、気合いを込めてマサキを睨みつける。

「いっけぇぇぇ!」

 リーファの号令一下、ルクスとリーファがマサキへと突撃する。マサキはその突撃に何ら受け止めてやる義理はないが、ここをマサキ
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