14部分:第十四章
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のようである。この世の者でないのだからこの世のものでない力も備えているということであろうか。少なくともこの世のことでは説明がつく話ではない。
「そして」
そのもう一人の彼はさらに言った。
「君はその人達を使って映画を作ることができるようになった」
「そうだね。君のおかげだよ」
「いや、映画を作るのは君さ」
もう一人の彼はこう言葉を返した。
「僕は君に手助けをしているだけだから」
「そんなものかな」
「そうだよ。御礼はいつも通り」
「いつもこの世界で遊ぶ」
「うん」
微笑んで自分自身に応えるもう一人の彼だった。
「いつも通りね。それで御願いするよ」
「わかったよ。じゃあこれからもね」
「頼むよ、僕自身」
「うん、僕自身」
それぞれ自分自身に対して言い合う。彼は今夢の中で自分自身とこれからについて語り合っていた。誰も知らない彼だけの秘密であった。
映画 完
2009・2・20
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