一日の終わり
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「あぁ……疲れた」
かなりの疲労だ。 さすがロシア代表。格が違う。まさにその一言に尽きる
そんなことを思いながら、俺は着替えを済ませて教室に戻る。
勝負には勝ったことは勝った。だが、俺としてはこの勝負の結果に喜んでいいものか悩んでしまう
会長は単一仕様能力(ワンオフアビリティ)である沈む床(セックヴァブック)を使っていない
たいして、俺はマイクロミサイル以外の武装を全部使った。
そして、なにより……
「あの人、絶対本気出してないんだろぉなぁ……」
そう、これだ。 俺が格が違うといっているのは、あの人が俺の実力に合わせて試合をしていたということだ。
予想だが、本来なら勝つはずだったが読みを間違えたために油断してこの結果なんだろう
だが、蒼流旋までは使わせたし、焦らせることもできた。 成果としては十分なはずだ
「で? 何かようですか?」
「あ? 気付いちゃった?」
物陰から出てきたのは会長。 生憎、アサシンの能力は伊達ではない。さっきはそうとはいかなかったが、ちゃんと意識しておけばいくらチートな会長でも気配は分かる
「俺、今から授業何ですけど?」
「私に勝ったのに、あんまり嬉しそうじゃないなーと思って♪ 」
「……手を抜かれたって分かってるのに、素直に喜べませんよ」
「あら、気づいたの?」
パッと開いた扇子に『天晴れ』の文字。 俺はそんな会長の様子を見ながら小さくため息をついた
「…なんか、さっきの初対面の時と随分対応が違いますが?」
「いやぁ、さっき色々と聞いてね。 うん、君がちゃんと一般の人だって分かったよ」
誰から聞いたかは甚だ疑問だが、それなら試合前にそれを会長に知らせてほしかった。
あの木の上での出来事はマジでトラウマになりかねないくらいなのだから
「まぁ、それで仲直りの挨拶みたいな感じかな?」
「別に気にしてませんよ。 俺も、なんだかんだ言っていい経験になりましたし」
俺の言葉を聞いて、嬉しそうに笑う会長。その笑顔を見て、ちょっとドキリとした
そりゃそうだ。 美少女の笑顔(俺に向けての)なんて、前世で一回も見たことがないんだ。あと、女子にあまり耐性のない俺だ。
「あ、顔赤いよ?」
「ほ、ほっといてください」
俺の顔の変化に気付いたのか、こちらを覗きこむようにみてくる会長。 顔が近かったため、思わず背けてしまう
なに、このラブコメ展開
「あはは、照れちゃって〜」
そんな俺の反応に笑う会長であったが、やがて、笑いが収まる
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